前のエピソード――第858話

　1体目のドロップはベーコンだ。正直厚切りよりも薄切りのパリパリとした方が好みだ。だが、出てきたのは厚切りだ。パスタにするのならこっちの方がいいのだろう。だが、デカすぎる。市販品で自分で切る用の物の２倍ぐらいの太さに、３倍ぐらいの長さだ。もうこれだけで１ヶ月は持つだろう。

　それ以前に使い切るまでに飽きるか、腐るかしそうだな・・・。絶対に開けられないな。2週間ぐらいずっとベーコン生活は嫌だ。焼いたものをパンに乗せて食べてもいいが、それを毎日しても１ヶ月は余裕で持ってしまう。食べたいから売らないとして、いつ食べるか・・・。

　そして2体目のドロップは、熟成肉だ。柔らかく、風味がプラスされた肉になるようだ。食べてみたいけど、焼く以外に料理方法ってあるのかな？表面を落とす必要があるけど、デコボコしていてやりにくい。この形のやつは売却だ。綺麗な正方形になっているやつはないのかな？それなら気にしなくていいのに・・・。

　5体目にはついにハズレ枠の魔石がやってきた。魔石に鑑定をかけると、魔力の保持能力が下がった魔石。そう書かれていた。どうやらある一定値までとしを取ると、魔力を貯めることはできるが、すぐになくなってしまう状態になるようだ。

　それが原因で体が劣化していくのだろう。この能力が強さに関係するのであれば、歳をとった時に魔力保持能力が残ったオークは強いことになるけど大丈夫か？おそらく急激に増えた時に変異したのがレア個体とかなのだろう。それが大きくなればユニークになる。とかか？

　修復できるかの確認をしたところ、修復不可と書かれている。もう、元の魔石には戻ることはできないのだろう。魔力を放出させるだけの、魔力を妨害する専用の煙玉とか作れそうだな。魔石に魔力を込めると、その人の魔力が放出されるとかあるのかな？その性質を持っていれば、魔力性質変化が化（ば）けることになる。

　魔力を一瞬だけ込めた魔石を転がすことで、そこから俺の魔力が放出を始める。俺の方から適当に棒のような形で伸ばすことでわたあめを作るときのように魔石から出た魔力を絡めとれば・・・いけそうだな。

　近くにその魔石を置いて試してみたが、できなかった。変換効率がゴミだったからだ。数％は俺の魔力だった。だが、それ以外のものが、オークの魔力に変わっていたのだ。そううまくはいかないな・・・。全ての魔力を出し切ってからすれば、そうはならないのかもしれない。一旦これを放置だな。

　9体目を殺したときだった。1つのスキルブックがドロップする。いつものか。そう思いながら鑑定をかけるとバグみたいな性能をしていた。その効果は、スキルの技能経験値ランダムに数％付与だ。スキルレベルを上げる際には、その行動をする必要がある。だが、素振り1000回を100％とするならば、その1％なら10回分埋まる。なんかこの説明だとしょぼいな。

　ともかく使えるようなスキルブック？と言うよりはスクロールのようなものだ。早速使ってみたが、スキルレベルには何も変化がなかった。どうやらまだそこまで行っていなかったようだ。このドロップがあるなら、頑張らなくても簡単にスキルレベルを上げることができる！？

　暇になれば、この階層を周回するのが決まった瞬間だ。とりあえず、倒すことができるのがわかったのだから馬の強化から行くか・・・。