第1040話
金曜日になった。ちょっとパイルバンカーの改良とテストをしている。改良と言っても、発射位置の場所を切り替えることができるようにすることだ。魔石を動かしてその位置を調節する機構をつける。左手側に棒を設置し、下の溝に通してから上の窪みに入れることでできる仕組みだ。
この場合は壁のようなものがないことから、自分でスライム金属を操作して行わなればならない。もし忘れていると中の魔石が破壊されてしまうだろう。これを作った原因は、先週のゴーレム戦だ。威力が足りず、奥まで押し込むことができない状態になった。奥の方に固定で魔石がセットされていたため、パイルバンカーと魔石の間に距離が生まれる。
そのため、100%の力でパイルバンカーを押し込むことができなかった。あっても50%くらいだ。運良く魔石が手前の方に来ていたから、破壊できていただけだ、奥の方にあれば100%破壊不可能だっただろう。もし破壊ができていなかった時は、持っているハンマーで叩くしか方法はない。
砲台ごとに切り替えることも考えたのだが、切り替えることができる時間がなかったときに積んでしまうため、脳内会議の結果却下された。で完成したのがこれってわけだ。位置も少し調節をし、杭がなければ手の甲に何もないような場所に移動させる。手の甲上にスライム金属の板を置き、手の甲が巻き込まれないようにしていた。
指先の方までの同じように巻き込み防止をつけていたため、握るときに力が入りにくいという問題があったが、これで解決だ。巻き込んでしまった時は事故という形で処理しようか・・・。こうしたのはよかったが、パイルバンカーの砲台が長すぎて右手で杭を投げることはどのみち難しい。ここは別に変えなくてよかったか?杭をリロードするのは変わらず左手で行うことになりそうだ。
パイルバンカーの杭を背中に背負い、1本1番深いところに魔石を移動させる。いざ勝負だ。前回と同じようにパイルバンカーを至近距離から放ち、杭を打ち込む。今回は3分の1程度の深さが刺さったようだ。魔石の位置を手前に切り替える。追撃のため、刺さっている杭をパイルバンカーの砲身に食べさせる。
ガンッと音がし、奥まで入ったことがわかった。その状態でパイルバンカーを発動させる。前回であれば、内部で止まっていたはずだ。だが、今回は杭が貫通しキンッと音を立てながら地面に転がっていく。成功だ。だが、砲身が壊れてしまったため、この戦いではパイルバンカーを使うことはできないだろう。
シールドで空中に上がる。そのパイルバンカーの砲身を基準に魔力形質変化でハンマーを作った。その先端に杭を埋め込み、凶悪なハンマーが出来上がる。それを大きくしながらゴーレムを潰し、壊し切った。コアの部分は壊れていないが地面に転がっている。それを破壊して勝負はついた。
パイルバンカーが壊れてしまった原因だが、風魔法の力が耐久値を超えてしまったのが大きい。いつもであれば、そこはただの砲身で魔法の影響が少なくなっていた。そのため、壁が薄かったのが原因だろう。スライム金属を購入し、その砲身を補強する。いっそのこと、ただの大砲を作っても良さそうだな・・・。
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