第1041話

 もう1周をして実用性を確かめることができたので次の階層に進んでいようと思う。その1周後に次の階層に移動をする。そこに広がっている光景はいつもと違っている。壁の草は棘が生えており、触れるだけでも皮膚が切れそうなほどだ。


 毎回ここを燃やして通った人がいたのだろう。通常のファイヤーボールでは燃えず、ファイヤーバレットでも燃えない。本気で燃やすのなら、ファイヤーランスを持続的に放つ必要があるくらいだ。こうなっているが、返って良くなったようだ。


 通ってみればわかるのだが、妨害として動く方の壁は最初と変わっていない。そのため、妨害が少なくなり簡単にゴールまで辿り着くことができるようになっている。よく見ていると、棘の中にいくつか魔石が落ちているのがわかる。リスポーンしてからすぐに、棘のダメージでリスキルされた残骸だろう。かわいそうな存在も確認できた。


 そして何も変わっていない17階層をダッシュで抜ける。スキルの方のマップを見ながら移動していたため、壁には激突しなかった。マップ様様だ。新しく入る階層は18階層だ。半透明の壁に囲まれた部屋になっている。


 ここに壁があることはわかるが、一番後ろには土色の壁があり、この先にはいけないと表している。所々口を開けた宝箱があるくらいだ。数パーティーはここを通っているようだ。調べれば情報は出てくるのだろう。だが、このダンジョンでは撮影が禁止されている。


 学校の教材として利用するためだろう。マップを作る授業をすると言っていたのだから、何も編集されていない動画を全部見ればマップを書くこともできてしまうだろう。そんな不正を防ぐために作られた対策だ。もちろん、生徒が撮るのは問題ない。その動画を基準にマップを作ったりするためだ。だが、一般の人はそれが許可されていないようだ。そのため、一般の人の数が少し減ってしまったようだ。


 入った瞬間出てきたモンスターを瞬殺する。壁が半透明だが、天井はしっかりと存在しているようだ。パイルバンカーや杭を片付け、刀を装備する。トラップの反応があるため、ゆっくりと探しながら進んでいく。気配察知の結果、この部屋にモンスターがいないことがわかる。


 次に行うのは扉探しだ。トラップとわかるような魔法陣が書かれているものが1つあり、それには触れないようにゆっくりと探していく。壁が半透明になっているのだから、その辺りに扉が設置されているとかでも不思議ではない。


 とずっと探していたのだが、他に通路の扉を見つけることができなかった。見つけたのは同じような魔法陣がさらに2つあったことだ。転移トラップなのは確実だとして・・・、どこに繋がっているのかだよな・・・。


 アースボールを蹴り、そのトラップを作動させる。その移動先は隣の部屋だ。残る2つも隣の部屋への移動手段になっているようだ。そのトラップが作動した瞬間、モンスターがその場に召喚されている。現れるトリガーは、魔法陣が発動することだ。


 その場にもう1回同じことをしたが現れることはない。1回殲滅が終わり魔法陣が発動するとリポップする感じだろう。今回と似たような感じになるのなら、次の通路が隠されている可能性もあるな・・・。種類はスモールゴーレムだ。


 基本的にドロップは石や魔石、コアの3択になる。旨味のないモンスターだ。だが、この階層は高さがないため、振り下ろしといった威力が高い攻撃がしにくい。その影響で、このモンスターを狩るには魔法しか方法はない。


 ただ、道を間違えていた場合戻らないといけないことを考えると、訳もわからず噛んで次の移動先を決める必要がある。絶対に方向がわからなくなって詰むやつだ。一旦、踏んだ転移トラップを踏むことで最初の位置に戻る。そして、移動として踏んだところを「a」とし、再び転移トラップを踏む。


 その現れたゴーレムをあまり動かず、魔法で殲滅した。この場所を再び「a」と打ち込み、わからない状態をなくす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る