第701話

 アースウォールを連続で発動させ、壁を出していく。チーフにカースウウェポンの命令権を与え、目の前のケンタウロスの対処に移る。基本腹の下に入って攻撃をするように命令をしている。基本の行動は攻撃だそれ以外だと体に張り付くように動き、移動を妨害することだ。


 今はそれをしてもらわないとな・・・。合流や援護はされたくない。ケンタウロスの足についているトラバサミは、蹄の裏に少し高くなっていることろがある。それを踏み抜くと空いていたところが閉じ、噛み付く仕組みになっている。


 第一関門だな。アースウォールを一斉に立てたことで、移動先を考えるという思考を植え付けるためだった。それも終わったことだ。次のフェーズに移る。その壁裏にはトラバサミではなくアースチェーンの魔法を入れている。


 そして、壁と壁の中間地点にも同じように魔法を置いている。もう壁裏にトラバサミを設置しているのは、バレているのだから、そのことを脅威と思っていれば突撃ではなく迂回を選択するだろう。


 それに賭けて、アースチェーンで足を引っ掛け転ばすつもりだ。魔法同士を繋ぐことで擬似的に原始的なトラップになる。スピードが上がっている中、次々とある障害物をスピードを落とさないように避ける必要がある。そこに思考を持っていかれ、足元がおろそかになる。


 弓を使っていたので実験済みだ。集中することで人間と同様に周りが見えなくなる。そこをつく戦い方の方が良さそうだ。1本目の攻撃を成功させないとな・・・。失敗すると、攻撃があると警戒させるきっかけになる。


 不意打ちの方が当たりやすくて楽だ。その不意打ちは成功し、前に勢いよく倒れる。倒れてからすぐにアースウォールを解除し、全てのアースチェーンをそのケンタウロスに向かわせる。転んでいる4本の足や首、体に巻きつく、これで動きをほとんど封じることができただろう。


 立ちあがろうとしているが、絡みついたアースチェーンがピンと張り、これ以上動けない状態になり、立つことができないようになった。最終的な目的とは違っていたが、これはこれで正解だな。


 人間部分の腕を絡めとることができなかったのが残念なところだ。武器を振ることができ最悪の場合、ここから脱出される。それより先にさっさと仕留める。チラッと横目で観察をしたが、もう1体のケンタウロスはチーフが召喚したオークやゴブリン、コボルトの対処をしている。


 援護射撃が飛んでくるというのは高確率でありえない。死んでも向こうを助けるという精神があれば飛んでくるだろう。そんな心理があるのか知らないが警戒するに越したことはないな。その転んでいるケンタウロスに、属性弾丸の嵐がやってくる。


 狙うのは、ほぼ服を着ていない状態になっている上半身だ。ランスを振り払い斬撃を発動させ、弾丸を防いでいた。だが、それもスピードが落ちてき何発か弾丸をもらうようになった。その時だった。弾丸を放っていた分身体に1本の矢が飛んでくる。その間に騎士が入り、その矢をへし折る。


 援護にくるようだった。警戒しておいてよかった。そのまま、弾丸の雨によりケンタウロスは死んでいく。残りはあの片手剣を振っているケンタウロスだが、もう終わりそうだ。矢を構えていた時にカースウウェポンが下半身に攻撃を加える。


 さらに周りのコボルトやゴブリンからも攻撃が入ってくる。その攻撃は下半身だけでなく、上半身にもやってきた。体に武器が刺さった状態で死んでいる。あの援護の矢が最後の一撃だったようだ。

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