第367話

 あんな商売を見た後でナメクジやカエルに変わった18階に行こうという気持ちもなくなった。ナメクジはわからないけど、カエルの場合はカエルの形をしたレインコートだろう。そんな予感がする。手に入れてもいいが、進んで欲しいとも思わない。


 フィールドの変化も起きていた。12階と13階での海のフィールドは変わっていなかった。だが、それ以外のフィールドは雨上がりの地面のようにぬかるんでいる。全てが沼地みたいだ。一歩踏み出せば、靴に泥が纏わり付きその行動を阻害する。


 それが乾いてしまうと、滑り止めの効果がなくなった靴の完成だ。本当に害悪でしかない。雨が降っているフィールドでない分まだマシか。雨にあたり、水分を吸って重くなってしまった服で戦闘とかしたくないな・・・。


 散歩みたいに傘を持ってきているわけでもない。雨に当たるのはほぼ確定だろう。モンスターはそんな雨に当たっており、その表面は湿っている。これでは、火魔術は効きにくいだろうな。


 鶏肉を殺すためにきていたのだが、その羽は水分を含んでおり、いつもはふっくらとしているのだが、それがぺったんこだ。物理防御の役割を果たしていない。受け流す方が簡単だろう。


 土魔法で、泥をかける。その動きが遅くなったところを騎士が殴りかかる。足には泥がつかなかったことから何かしらの特徴はあるのかもしれないな・・・。防水とかその辺りかな?


 ドロップは鳥の羽、使い道のないゴミだ。ゴミを集める趣味もなくそのままダンジョンに捨てていく。投げてもいいのだが、あまり飛ばず当たったとしても刺さらない。使うなら装飾品だ。帽子にワンポイントとかその辺りに使われるだろう。


 目の前にはでかいコカトリスがいる。どうやら異常固体か?全体的にでかい。その脂肪が重なっているような腹、羽の隙間から見える肌。顔の大きさの割に小さい目や口。


 完璧なデブコカトリスだ。俺に気がついたようだ。だが、背中を見せる。そして、蛇を振り回すように使い鞭の代わりにしているようだ。


 背後の視界の役割であるはずの蛇は見ることができない。どうやら栄養が全て鳥に回ったのか?それか座ったタイミングで潰れて死んでしまったのかどちらかだな。意識は完全になく、ただの武器扱いだ。尻尾での攻撃で全てが解決する。


 鞭と同じように使うことで巻きつけ、引き寄せることができる。それを使って動かずに生活を送っていた結果がこれか・・・。だらしないな。騎士が殴ってもその打撃は脂肪によって内部まで届かない。


 足も細く動くためには転がるぐらいしかできないだろう。予想通り転がってきた。体が重すぎて前に転がることはできない。転がるなら横が多くなるのは確定だ。刀をやめ拳銃に取り替える。ショットガンでもよかったが、動きながら当てるとなると拳銃の方がやりやすい。


 鼻の穴に入れることができればなー。口の中でもいいが、騎士が頭を殴りつけ、地面に叩きつける。頭にはあまり脂肪が入っていないようで打撃も通ったようだ。固そうな嘴を殴ることでさらに破壊する。


 その間に俺は目玉に拳銃を撃つ。時間が経ち、死にドロップに変わった。そのドロップは鶏肉だった。だが、いつもの鶏肉と違い表面に脂肪が多くついた鶏肉だ。一目見るだけで美味しくなさそうというのがよくわかる。

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