第867話

 ダンジョン学習でも卒業までの必要な階層数に触れ、そこまで頑張れと励まされる。特に何事もなく、適当に年老いたオークを殺しながら時間が過ぎ去るのを待つ。スキル経験値のスクロールも落ちるが、今回一番多くドロップしたのは魔石だ。あの使えなくなった魔石が一番ドロップした。


 武器として使っているものもドロップすることを確認することができた。だが、ドロップするとしてもそれは棍棒だ。クソほどいらない。油を敷いて薪にするぐらいしか使い道がないだろう。殴るだけであれば、適当にハンマーでも作る。


 鑑定をしてみたが、硬い性質を持っているだけの耐久値極振りの武器だった。しかも、火耐性を持っていたことから燃えにくい性質を持っているようだ。本当になんのための武器なのか。さらに付属の効果としていい匂いがするらしい。


 使われている素材は香木だったようだ。オークが使っていたものだ。嫌な予感がする。化学の実験時に、危険物とかの匂いを嗅ぐ時のように手を団扇代わりにして匂いを送る。その匂いは強烈だった。まずはオークの汗から始まる。酸っぱいような苦いような匂いだ。


 その次にやってくるのが加齢臭だ。どうやら、持っていたのは自分の臭い匂いを消すためだろう。そこに自分の匂いが移ってしまい地獄のような匂いになっている。表面を削ればなんとかなるか?布で鼻を隠しながら、刀で側面を切り落とす。


 表面を切り落とし、確認をしたがまだ臭い。だが、その匂いはマシになったように思える。それを繰り返すことで、やっと匂いが出にくいところまでやっていくことができた。その大きさは高さ5cm、横幅2cmぐらいの立方体だ。厚さは1cmと薄いため特にしまうところには困らない。


 そして、鑑定をすると香木の破片と表示されている。服に匂い移りをしないようだ。刀で適当に切った影響か、表面がざらざらしている。家で使うならやすりがけが必須だな。なんでこんなことをしているのだろう・・・。


 匂いは心がスッキリする?なんというか落ち着くような匂いだった。室内がずっと落ち着けるような空間になるのであれば別にいいか。完成したそれをマジックバッグに放り込み、次のオークを探す。


 そこにいたのは猫背になっておらず、姿勢がいいオークだ。ここに若いオークがいるのか?それか、筋肉が落ちなかった固体のどちらかだろう。持っている武器は金属で大剣だ。・・・一旦退散!


 明日は、ここを探索して見つけ次第戦闘にするか。もし、筋肉が落ちていないような個体であれば、技術もしっかりと持っている個体だろう。老オークの攻撃を受け止めれるか?・・・逸らすことならいけそうだな。


 大剣なため振り回すことはできてもその機動性には欠けているはず、そこを突かないといけないな。一撃が怖いな・・・。先制攻撃はスナイパーライフルから試してみるか。

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