第866話

 授業をいっぱいまで戦闘をしていると、パーティー仲間の迎えがやってきているようだ。それに引き摺られる形で、不服そうに帰宅準備を始めている。それと同じようなタイミングで俺も帰宅準備をし、そのまま家に帰り、その日は終わることになった。


 魔法の授業では、特に変わったことを行うことがなくなった。だが、新しくコースが追加されているようだ。遠くに置かれている的を狙うコースが消され、その代わりに障害物が多くなったコースとその中に動く的が追加されたコースの2つが追加された。


 初心者コースが障害物(少量)のコースとなり、本当の初心者は2年とかの人と受けろと言われているようなものだ。そのため、諦めて2年のところで受けることを決心した人が何人かいた。中級者が障害物(大量)のコースだ。


 このコースが1番多いように感じる。そして、あまり人が行っていないのは、今回の上級者コースだ。動く的があるのはもちろんのこと、そこに障害物がこれでもかと置かれている。出てくるタイミングは僅か一瞬となっている。


 ここでは、魔法の速度やタイミングをコントロールするのが目的のようだ。ただ、今までのように当てるためだけのコントロールができたとしてもタイミングを間違えば、当たらずに通り過ぎてしまう。当てるためのコントロールをしながら、タイミングを測る力を強くする方法だな。


 ここでは、中距離と遠距離の2つが用意されていた。とりあえず脳筋で行こう。魔力を込めてスピード特化で、タイミングを図らず出てきた瞬間を狙い撃つ。狙う的の距離は中距離のところだ。的の端が見えた瞬間、撃つ状態で維持していた魔法を放つ。


 的の中心部分を狙った。だが、当たった位置はそれよりも大きく左にずれている。魔法の速度が速すぎた。こんな感じで、狙っていけとのことだろう。・・・簡単だけどいいのか?これで威力を持ったものを撃てば練習になるだろう。狙っている場所に魔法を置いておき、中心に当たるように動かす。


 それだけでいいのであれば余裕だ。問題はこれをずっとしていると集中力が保つのかが不安なところだ。そして、この場所には欠点があった。それは水魔法が使えないことだ。的を動かしているのは人力ではなく、機械だ。そのため水に弱く、壊さないようにするために水魔法が禁止されている。俺が使うのは風魔法だから問題はない。


 何人かの水魔法を使う人は移動を余儀なくされていた。柔軟にいろんな属性の魔法を使えるようになれば、こんな時にも困ることはなかったのになー。かわいそうに。今は風魔法を賢者であげることができれば次は光魔法だな。あと、スキルレベルを2つあげるだけの辛抱だ。しっかりと集中していこう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る