第1129話

 その金属を集めながら、人形に色が定着するのを待つ。その待っている間に、勇者の祭典が始まった。長々とダンジョンのブームが続いているため、その放映権を販売することで国としての金を確保することができているようだ。


 そして、魔法やスキルによって作られたフィールドでの戦闘が始まる。勇者なんぞに興味はない。この国と他の国の勇者との差を比べるために、勇者の国を除いた国だけでの戦闘が始まる。そして、その後に勇者の国にいる勇者のみでの戦いが始まる。


 アジア出身の勇者と黒人の勇者が戦いを開始する。その戦いの結果、黒人の勇者が勝利する。圧倒的な脳筋の戦い方だ。そのスピードに追いつくことができず、なすすべもなくリングアウトさせられている。誰かしらがこの戦いで死ぬのを恐れていたため、魔法やアーツといったスキルを使わずに戦闘ということになった。


 そのため魔法主体の勇者は参加をせず、脳筋の勇者が勝つという仕様になったようだ。つまらんな。それで1日が終わったようだ。正直、この脳筋の湯者が出てきた時点でチャンネルを変え、漫画を読むために部屋に戻っていた。優勝者はこの黒人の勇者だったようだ。


 八百長のような戦闘に少し荒れているようだ。正直、勇者の方が強いぞというのを見せるための祭典だ。派手さを示すのなら、前のところより派手にすればいい。だが、それでも差が分かりにくいのなら、先に行う方を下げればいいだけだ。


 勇者の国方はアーツや魔法といったなんでもありのルールになっている。そうすることで戦闘のスピードや派手さから、勇者の国に在籍している勇者の方が強いのではないか?と錯覚を生み出すことができる。そして、それをみた国民からはその勇者からの庇護を得た方がいいのでは?と思わせることができる。


 ある意味詐欺のような感じだな。その戦闘が同日に行われたのなら、比較することもできるだろう。だが、次の日に行われる。誰が先日の戦いの記憶しているだろう。地味な戦闘なんて誰も記憶していない。記憶するに値しない。そのため、勇者の国の戦闘がより際立って見えてしまう。


 勇者の祭典、それは結果以前に開催することに意味がある。戦闘のギャップから国民が参加すべきでは?と思わせる必要があったからだ。その祭典が終わった後、新たな爆弾が投下されることになる。勇者が寿命でや病気で死ななければ、その国で勇者が永遠に生まれなくなるというものだ。


 反逆者として勇者を殺してしまった国にとっては顔が真っ青になるニュースだ。デモが相次ぎ、参加を余儀なくされる。これが本当なのかどうかも怪しいところだ。だが、これを聞くことにより、新たな考えを生み出すものがいる。


 それは勇者撲滅委員会だ。なんかリア充撲滅みたいな感じに聞こえるだろう。簡単に言うと、勇者が全員死ねば不平等のない未来になるのでは?と言うことだ。そして、勇者1人計画も開始される。自国の勇者以外を殺すことができれば、勇者が自国ただ1人と言うことなる。その勇者教会の乗っ取りや、これからの覇権を取ることができると言って良い。


 これからは勇者が命を狙われる立場へと変わった。そして、勇者の祭典が終わった結果、各国々では、勇者教会に参加すべきだと言う意見が相次ぎ、全ての国が参加することになった。

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