第1004話
打ち込まれてくる魔法使いの風魔法を分身体が凌ぎ、さらにカウンターまで行う。派手にやり合っているため、俺が隠密を発動しているのは気がつかないはずだ。分身体には、火魔法と風魔法の2種類しか使ってはいけないと命令している。
土魔法を使ってからの土操作をした時の差が出てくる。それで偽物だと気がつかれ警戒された時ほどきついものはない。AIみたいなものだ。学習して出力することはできるが、新しいものを作ることができない。将棋やチェスのように、決まった手があるわけもない。
人や魔物の行動に合わせて、作戦を変えていくことができないのが分身体の欠点だ。自分で考えることができるようになれば、使い捨てのようにしていることから反乱されかねない。そこまで自由を与えるよりかは命令したことだけをするロボットの方が都合がいい。
背後を取った状態で奇襲を仕掛け始める。魔法であれば魔法使いに気が付かれる可能性があった。そのため、刀で奇襲するしかなかった。普通気がつかれないはずだ。隠密を発動しているため気配察知もほぼ効かない状態でいる。魔法使いにも気がつかれないようにするために、魔法も使っていない。
だが、反応してきた存在が1体いた。女王だ。背後に鞭を当ててこようとしていた。気がつくタイミングが遅く、俺の攻撃の方が早かった。だが、振り返ろうとしてきたことにより、攻撃の位置がずれてしまった。即死に持っていくことはできない。そのため、横腹を切り裂きながら通り過ぎた。狙いをまだ気がついていない、魔法使いと盾持ちに切り替える。
その何も向いていない背中にファイヤーランスを当て焼き殺し、分身体に盾持ちを魔法で足止めするように命令を出す。ちょうどバフが切れるタイミングだったようだ。さらに元のステータスも低かったため、攻撃が通りやすかった。
次の攻撃を読ませないように、地面に魔法を打ち込み砂埃を発生させる。背後を警戒しているため、動くことで背中を取らせないようにしているようだ。狙いは違うけどな。分身体と入れ替わり、壁がある方に移動をする。すぐ向こうに行った分身体に背中から奇襲を受け、その盾持ちは死んでしまった。
残りは女王のみだ。壁があるところに行ったのは魔力消費を削減するためだ。作っていた壁に手を当て、魔力を流す。時間経過をしていたのと意識を外していたのも相まって、こもっていた魔力は空気中に逃げたようだ。
操作をするためには再び魔力を込め直す必要があった。そのまま、改造を施しアースランスを作り、警戒をしている女王の腹を貫き死んでいく。そして時間が経つと、消えていき宝箱に変わってしまった。あっけない最後だ。
正直もっとやりようはあったかな?蝋人形の攻撃が届かないように空中に移動してから魔法で殺すこともできた。他にも蝋人形を作るための蝋燭を捨てたのだから、残っている十字架を使っても良かったと思う。
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