第328話
モンスターによる奇襲を凌ぎながらも、ダンジョンの深い階まで進んでいく。トレントのところが一番厄介だった。森林のように生い茂る森の中に月明かりがあまり入りこまない。真っ暗だ。自分の勘と空気の揺れを察知して攻撃を回避する。火魔法で周りの木を燃やし、明かりを確保し戦闘を継続し殺し切る。
ウルフの場合は、遠吠えがあちこちでしていたぐらいしか変わったことはなかった。いつも通りのフィールドで戦う。スピードは早くなっており、闇に紛れるためいつもなら灰色っぽい毛皮が、今は黒色だ。だが、目が光を反射し光っている。そのせいで位置がバレバレだ。
勝つ自信があるのか奇襲も仕掛けてこない。一目散に俺に近づき、引っ掻こうとする。それをカウンターで沈めながら殺し回る。この時ドロップで夜目を手に入れた。暗いところでも安全に戦うことができるぞ。
真夜中のフィールドだ。全てのモンスターが夜目のスキルを持っていても不思議ではない。レア個体かな?1匹の狼が崖上からこちらをみている。気のせいか少し光っている?月明かりのせいかな?月を背景に遠吠えをする。
崖上から俺の目の前に降りてくる。大きさはウルフの2倍程度の大きさだ。見間違えではなかったようだ。わずかながら光っている。仲間はおらず、ただ1匹だけだ。降りてきた崖を見ても、そこに新たにウルフが現れる気配すらもない。
騎士に前衛を任せ、俺は魔法で応戦するつもりだ。とりあえず距離を取る。地面を蹴り、後ろに下がろうとした時だった。ウルフが近づいてくる。いつものウルフよりも2倍ぐらい早い。シールドを出しそれを土台にすることで、移動先を変える。
残っていたシールドはタックルにより粉砕されている。俺の方に注目しており、騎士は横目で見ているようだ。騎士が攻撃のために寄ると後ろに下がって距離をとる。武器が拳だけだとバレているようだ。リーチが足りず、攻撃を当てに行くことすらできない。
後ろに飛んだタイミングで魔法を放ったのだが、尻尾によってかき消される。長い間戦いたくないからな・・・。魔王の威圧を解放する。数歩後退りをするがまだ俺の方を睨む余力はあるようだ。分身体を狼を中心に右回りで移動させ、2体目をウルフの目の前にそして俺は左回りで近づく。
分身体への移動はクールタイムが10秒だ。それまでどれぐらい攻撃を当てれるかだ。威圧のおかげで、騎士に対する警戒が全て俺に移ってしまった。攻撃に気をつけなければならないな。
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