第661話

 魔法の授業も特に問題はない。ただあの障害物を壊さないように的を当てるのかが課題だ。あの食糧ダンジョンでは10階層を越えると獣型(4足歩行)になる。そのため的の大きさも大きく中心部分がターゲットポイントのようになっている。


 人型であれば、ターゲットは2つになり頭と腹の部分になる。弓を使うよりも大きいのでまだ気は楽だ。ただ始まる前に、壊せば自己責任で支払ってもらうと脅して集中力を高めさせるためなのか、本気なのかわからないのようなボケが入る。


 何より壊せてしまうのだからタチが悪い。壊せないものであれば安心して放つことができるのに・・・。威力を殺したものを放つしかない。あとは空間把握能力を上げることか?隣とかをウロウロすると何となくここからなら通すことができそうだな。と思うことができるルートを見つけることができる。


 最初に前に動くなとしか言われていなかったのだから横に動くことはいいのだろう。元々ある的も、一方向だけではなく側面にも的があった。これも解答の1つだろう。戦いを想定した場合はそうなるのが基本だな・・・。


 味方に物理タイプの遠距離がいれば、先制攻撃は同時か物理の方が行う。その後に魔法を使うのであれば、後衛を守るために前にいるであろう前衛を避けて魔法を当てる必要が出てくる。そうなれば横からカーブをかけて当てるか、上から当てればいい。


 この授業では真っ直ぐ飛ばすなと言いたそうな感じだ。反対に物理タイプであれば直線か曲線でしか飛ばないのだから当てないように弓を打つ人が動くか、当てないように精密に撃つかのどちらかを試されているのだろう。そんなことを言っても前衛に立つのは俺か騎士だからな・・・。そんな心配もいらない。


 この次のレベルになるのであれば、的が小さくなるか動くかのどちらかだろうな。来年にこの授業があるのかは知らないけど。俺にとって単位を取るための授業みたいな感じかな?特に問題なく、魔法で的を撃ち抜くことができる。


 今は味方がいない想定で撃っている。これでもし味方がいるならば、的と俺を直線で結ぶ位置のどこかに立っているだろう。それを自身で想定して撃つのか、的が用意されるのかはわからないが考えておくに越したことはないだろう。


 そうでないと、本番ギリギリで人型の的が立ちますとかで驚く事になるかもしれない。最悪を想定しておいた方がいい。変な癖がつかないようにしないとな・・・。行動の選択肢を奪ってから撃つことを頭に入れておかないとただ撃つだけになれてしまうと戦闘中に差し支えが出てしまう。

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