第79話
お盆前に旅行に行くことになった。行き先はもちろん避暑地もかねて北海道だ。そのまま、お盆に入り両親の実家に帰る予定らしい。と言ってもどちらの祖父母も同じ県に住んでいる。少し遠いだけで、行ってしまうとなかなか帰って来れなくなる。
ダンジョンから遠いので、お盆の時だけで十分だ。
______________
時間が過ぎ去り、お盆あけになった。
色々遊びに行き楽しんで帰ってきた。同い年のいとこも帰ってきてダンジョンをどこまで進めたのか自慢してきたのだが、言って俺よりかは進んでいない。自慢しても鬱陶しくなるだけなので、自慢はせずに褒めておいた。
めんどくさいが学校に行かなければならなくなってしまった。というかなんで夏になっても学校に行かなければならないのか未だわからない。もう、暑いのだから休みでいいじゃんか。そう思って仕方がない。
いやいや起き、朝ごはんを食べ、学校に行く準備をしている。
「テレポートが欲しいなー。」
今のところ学校に行きたくないのは暑かったり寒かったり、雨が降っていたりと季節的な要因が多い。そのため、テレポートで行くことができれば、それまでの悩みが一気に解決する。
と言っても、そんな魔法はまだ見つかっていない。というか実際に存在しているのかがわからないとされている。だが、ユニークスキルで作ろうとしていたができなかったので、存在はしているということはわかっている。それを卒業までにとることができれば、もう完璧だ。
そんなことを考えていると、学校に到着していた。校門をくぐり、自分の下駄箱を開けている時だった。開けた瞬間、中から、1通の手紙が落ちてきた。
「なんだこれ?」
わけもわからないので、そのままバックに放り込み、急いで教室へと駆け上がった。いつも通り時間ぎりぎりに学校に滑り込む。今日もセーフだったのだが、一回ぎりぎりアウトになったことがあった。そこから階段ダッシュだけは本気で行こうと心に決めた。
朝のホームルームの間に、手紙を見てしまうか・・・。白い封筒にシールで、封をされているそれを開けて中を見る。紙が一枚入っている。好きです。放課後校舎裏に来てください。と書かれている文章だ。
正直、くそめんどくさい。まず、なんで今の時期に手紙なんだ?メールで言ってくれよ。いちいち暑い中、外で待つ身にもなってくれ、それならせめて秋の少し寒くなってきたなーと感じる辺りにしてくれ。そう思ってしまった。
もちろん結果は拒否だ。よくある断る理由として、男子といる方が楽しいーから。とかそんな理由ではない。どちらかというとダンジョンに潜る時間が減りそうという理由からの答えだ。あと、絶対に今後別れることが確定しているのに付き合う意図がわからない。
宛名ぐらい書いていて欲しかったな・・・。
めんどくさいので、代理で誰かに言ってもらう。暑い中ずっと待たされるわけには行かないので、ささーと終わらしたいところだ。
いっそのこと燃やして存在を消すか?すっとぼけてもそれがわからないので、別に燃やしたということがバレることにはならない。
・・・。ただの問題の先送りか・・・。
「めんどくさいけど行くかー・・・。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます