第80話

 放課後になり、校舎裏に到着した。そこに待っているのは女子生徒ただ一人だ。その裏には何人かいるのがわかっている。大方その人の友達だろう。その様子見とかその辺りだと思う。


 目の前の女子なのだが、誰か知らない人だ。関わりもないのによく告白をしてくるもんだ。到着した途端


「好きです。付き合ってください。」


 そんなことを言ってきた。もちろん解答は決まっている。


「ごめんなさい」


 この一択だ。正直なところ、時間と金の無駄だとしか考えていない。特に過ごしていて彼女が欲しいなとか思う機会もない。強いていうなら、親がうるさいぐらいだ。それ以外だと・・・、考えてみたが何も思いつかない。


 そしたら、急に泣き出した。もうめんどいので帰っていいか?女子というものはこんなにも心が脆いものなのか?そんな疑問が頭の中をよぎる。物陰で隠れて観察をしていた女子たちがあらわれ、その女子を回収ついでに罵倒してこようとしているが、それも無視して家に帰りだす。


「はー、」


 両手で顔を覆い、深いため息を吐く。俺の判断は正しかったと思う。あれで、泣くぐらいであれば、今後の生活にどんな影響を与えてくるのか心配になってくる。こんなこと程度でくよくよしていてはいけない。


 というか、学校でプラスで宿題を渡された。夏休みの開始に一緒に渡しておけよ!!そう感想として出てきた。しかもそれは1日2日で終わるような量ではない。そのため、ダンジョンに潜るのは遠くなりそうだ。今は宿題に追われている。と言っても簡単だったので、1/4は終わってきたところだ。


 次の日も宿題をしていて、その日の晩には宿題が終わった。集中していることもあり、通知をきっていった。そのせいで、通知が溜まっているのが見えた。そこは、部活のグループだ。正直何を話しているのかが興味がなく、元のそのグループ自体をミュートにしている。


 めんどくさいが、何やらアンケートをしているようだ。そこには海外に行けるのか?そう聞かれていた。なぜ急に海外に?となってしまい。大体のことは予測できたのだが、それが正しいのかを確かめるために内容を読み直している。


 まとめるとこうだ。最近ニュースにもなっていた。ダンジョンの氾濫が最近海外で発生したようだ。それの対処としてボランチィアで参加しないか?とのことだった。


 もちろん拒否する。というか気がついてよかったー。久しぶりに焦った。アンケートに参加しなければ強制参加だとその下の方に書かれていた。


「普通逆だろ!!」


 ついついツッコミが入ってしまったが、参加しないということが確定したので別に問題にはならない。というか調べていたのだが、そこのダンジョンに関する法律がやば過ぎたのだ。そのため、ダンジョンに潜ろうとする人が急激に少ないといった感じだ。


 例えばだが、ダンジョンの収入が日本だと税金として10%ほど収めることになる。だが、その国だと50%収めなければならない。そんな税率になっている。


「そりゃー氾濫もするわ。」


 ベットに転がりスマホを眺めながら、そう感想が出てしまった。


「うわーひでー」


 さらに見ていると、武器も基本国に無償提供で、給付された武器か作った武器しか使ってはいけないそうだ。そんなことを見ていると、日本がどれだけ優しいのかがわかってくる。ダンジョン目当てに海外には行かないと心に誓った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る