第908話
学祭があるまであと3週間か・・・。次の階層に行くかどうしようか悩みどころではある。どんどん進んでいる人がいる。その人が次の階層の情報なんかを出してくれている。中にはどんどん進んでいる人はいるが、情報を一切開示しないという人も中にはいる。
その人はすでに町単位から嫌われているようだ。セーフポイントの事件の時に、どんどん進んでいる人が原因のところというのがこの町だった。最終的に、セーフポイントがなくなった。それで罪悪感から情報を開示するとかならまだよかった。
だが、そいつはキレた。その階層に行くことができなかった原因は、レベルとか頑張りが足りないとかそんな感じのことを抜かす。情報が開示されていないため、罠があるのかもしれないことやどんなモンスターが出るのかがわからず、動きが遅くなる。それが階層を進むのが遅くなる理由だ。
このダンジョンなら、先に進んでいる人がいるので情報を見ながらすることになりそうだ。やらかした人がいるのだから、その人の二の舞にならないように動かないとな・・・。情報を開示する。それは大切だ。収入面に関わるのなら、言わなくていいと思う。
今日は先に進むつもりもないし、どうしようかな?あー。1つ確認しておくか・・・。とのことで、蜂の階層にやってきた。予想と外れていれば、魔法のスキル上げをするつもりだ。その目的は、カースウエポンに武器スキルを付与できるのかの実験だ。
もしできるのであれば、スキルレベルを上げて魔法防御のスキルを付与したいところだ。その目的はエンチャントだ。多くの属性をエンチャントできるようになった時にカースウエポンにつけることができるのなら、殲滅力が大きく上がる。
それが1番の狙いだ。エンチャントは付与できるのはもうわかっているのだから、確認するのは武器スキルの付与だけだ。と確認すると問題なく耐久値増加を付与することができた。そこにエンチャントをかけることもできる。そしてストップウォッチを開始した。
1体が死んだときに片方を止め、確認をする。耐久値増加を付与したものと付与していないものでは、死ぬまでに10秒ほどの差が出てくる。10秒か・・・。結構な誤差だな。レベルが高くなっているとこの差も大きくなっているだろう。(実験をするために召喚してすぐのものを使っていた)
たのだろう。やってるつの3体を召喚し、再び実験を開始する。次の実験は2つのエンチャントをした時のHPの削れ方だ。耐久値増加を付与し、火と風のエンチャントをつける。残りの2本は、火のエンチャントと風のエンチャントを1回ずつかける。
HPが切れたのは、両方ともエンチャントをしたものだ。やはり2属性をつけるとHP消費は大きいようだ。次にHPがなくなるのが風で最後は火だ。エンチャントにもHPの減り方の差があったのか・・・。正直全部一緒だと思っていた。
違いが出てきたのだから、それに合わせて属性を当てていく必要がある。火が強いのなら雷の時もやばそうだな・・・。まずチーフを召喚し、2人でできるだけのカースウエポンを召喚する。そのカースウエポンに耐久値増加を付与し、ファイヤーエンチャントをかける。そのまま蜂の階層に行く。
焼ける匂いに、金属が落ちる音が奏でられている。レベルが低くても目的は、エンチャントされている火を当てて体を燃やすことだ。体が燃えさえすれば、そのまま延焼ダメージでHPが減っていき死ぬ。それが狙いだ。
順調だな。カースウエポンの意識が強くなったのか、俺が召喚したカースウエポンが指揮をとっているように感じる。殲滅が終わるとすぐに上の層に行き殲滅をする。1体が直進すれば、そこに穴が開く。それと似たような感じで広げていけば、一瞬のうちに殲滅が終わる。
蜂の子がいたようだが、カースウエポンの1体がその集まっている集合体に剣を突き立て、火が広がり体を燃やし死んでいった。命を燃やしながら戦い、余裕で勝利を収める。正直そんなに召喚しなくてもよかったように感じる。
移動に時間がかかったためか時間切れだ。チーフが召喚していたカースウエポンは軒並み死んでいる。レベルの差とステータスバフの差だな。そこをどうにかすれば、この作戦は完璧なものになる。ここにウィンドプロテクトをつけてもよかった。
だが、1日中ここで周回すると考えた時に魔力が持つか怪しいとのことでダメになった。やはり、魔術師にはバフをとってもらうか・・・
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