第40話
戦って勝利できたものの、結構時間がかかる。今の調子だと、職業持ちを相手にするにはきつい。ものは試しだ。一回挑んでみる。見てみると、7体だ。
「7体か・・・。」
さっきの5体でも時間がかかった。今回は7体リーダーはもちろんのこと、職業持ちもいるみたいだ。特に杖を持っているものや剣を持っているものがいる。それプラスゴブリン4体だ。キツくないか?とりあえず試しに近づいてみる。やはり気付かれていない。まず厄介なのは魔法使いだ。それの首を切り落とす。通常のゴブリンよりかは固かった。だが、問題なく切り落とすことができる。
これで問題なく魔法を使うことができる。最初に魔法使いを殺したのは、戦っていてめんどくさくなるのが魔法使いだからだ。もし剣士と戦っていて、攻撃をしてくるのであれば魔法使いからになる。さらに、もし魔法を使っても魔力感知で、どこから来ているのかがばれ、避けられてしまうらしい。
そんなことが起きるとめんどくさい。一旦魔法使いだけを殺して退く。そして、ウィンドジャベリンで殺しにいく。今回風の理由は速いからだ。特に剣士となると、動体視力が高くなる。さらに勘も上がってしまう。そのため、殺気を出してしまうと避けられる可能性がある。
そのため、速さ重視だ。とりあえず、通常のゴブリンを倒すことはできた。残りは2体だ。とりあえず、リーダーは先に倒して、1対1に持っていくことができればアツい。ということでリーダーに狙いを定めて突撃をする。まず、バレていないうちに魔力と気力どちらも消費し、右腕を切り落とす。切り落とした5秒ほどはバランスを取ることができず、攻撃もして来なくなる。その間に、太ももあたりに短剣を突き立てる。痛がって大声を上げる。だが、そんなことも許さないために、喉にもう一つの短剣を突き立てる。声帯が破壊されたことで声を出すことができていない。
「ヒュー、ヒュー」
と開いた隙間から、空気が抜ける音がするだけだ。追い討ちするように首を掴みねじろうとしたが、うなじが硬くて捻じ切ることができなかった。仕方なしに毒の短剣を心臓の近くと、さっき切った喉に刺しておく。もちろん毒を流してだ。これでしばらく動かれる心配もない。
さて剣士の相手をするか。振り向いた時には既に近くにおり、その剣を当てようと振りかぶっていた。急いで横にころがることで避ける。あと1秒気がつくのが遅ければ潰されていたのかもしれない。剣に気力と魔力を乗せ、斬撃として飛ばす。普通に避けてくる。気配も何も感じることのないはずなのに、これが野生の勘というものなのか・・・。
また同じように斬撃を飛ばす。なんというか近づかれたら終わる。そう考えてしまう。前と同じように、ウィンドボールを地面にうち、気配を無くしてから、殺しにかかろうとした。だが、警戒のアラートがなる。今すぐ離れろと勘が言ってくる。それに従い離れた。その次の瞬間にはそこに剣が走っていた。その剣は軽く光っていたことからスキルを使っていたことがわかる。
「あぶね。」
これが俗にいう心眼と呼ばれているものなのかもしれない。ゴブリンが持てるということは俺も手に入れることができそうだ。というか、もし当たっていたら・・・と考えると悪寒がする。早く仕留めなければ他のゴブリンがやってきて連戦になる。もう絶対に連戦はいやだ。休みたい。心の中でそう叫んだ。
次の攻撃で仕留める。そう魔力を剣に、気力を体全体に行き渡らせる。魔力のおかげで毒が出ている。さらにもう一方は硬くなっている。ゴブリンごときが、気力や魔力を使えるはずがない。そのため、今は身体能力は俺の勝ちだ。その調子で、切り込みに行く。上に飛び上がることもなく、近くで腹めがけて切る。腸が少し見え、そこからちが出ているのがわかる。俺は自分が自分ではないような感覚に陥っている。
集中が途切れない。さらに思ったように体が動き、周りはゆっくりと動いているようだ。これが俗にいうゾーンだ。腹を切られたのにもかかわらずゴブリンは元気だ。そのまま切られた状態からカウンターをしてこようとしている。それを硬くなっている短剣で受け流す。地面に突き刺さっているそれを必死にゴブリンが抜こうとしている。それを許してはならない。剣を足で踏んで抑え、ゴブリンを殴り飛ばす。これで武器を失っている。
圧倒的に有利な状況だ。だが、油断をしてはならない。毒が回ってきているのかゆっくりと立ち上がる。さらにふらついている。これに魔法を加える。今回はバレットだ。最初の方は殴り落としていたが、最終的には蜂の巣のように風穴が開いた。そのまま、地面に倒れ勝利を確信することができた。
今日のドロップアイテムだが、布が2つだ。リーダーが着ていた布だが、通常ゴブリンよりは高く買取をされる。そして、ゴブリンの剣だ。上に行くほど、その純度が上がっていく。中には純銀製で作られたものや、レアメタルで作られたものを持っている個体も確認できた。
残りの魔法使いのアイテムは、火魔法のスキルブックだ。
「やっば」
と声が漏れてしまったのも仕方がなかった。というか最初に魔法使いを殺したという判断の良さを誉めたいところだ。もし火魔法を使われていたら大変なことになっていた。周りは木だ。そのため、燃え広がる。それだけで終わればいいのだが、一酸化炭素が発生するかもしれない。
そう考えると真っ先に殺しておいて正解だった。よしこれで戦闘の幅が広がった。オークの丸焼きを次の階層に行くと食べることができることになりそうだ。
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