第39話

 やってきました4階層。昨日はレベルが上がったものの、14で止まってしまった。あとは操作系がレベル2まで上がった。早速ゴブリンを見つける。3体だったので、進化個体もいない。いつものように首を切り落としていく。少し硬いように感じたが、問題なく倒すことができる。一体攻撃して首を落としても、他の奴らには、俺がどこにいるのかをわかっていないようだ。




 だが、階層が上がるごとに、その防御力についていくことができない。やはり、攻撃力が足りていないようだ。一旦魔法職を引退して攻撃力を上げるか。次の階層になるとそこについていくことができないようになりそうだ。次の階層はオークだ。防御力として、その肉体に宿る大きな脂肪がある。タックルをされるとその威力はダンプカーのごとく、さらにその力はゴリラのように強い。筋肉が脂肪に隠れているパターンの敵だ。




 そのため、武器には大剣を使ってくるものもいれば、殴ってくるものもいるという。足が遅いのがまだアドバンテージだが、魔法には弱い。そのことから今どうしようか迷っている。とりあえずゴブリンをかる。




 次は5体だ。リーダー個体が確定で存在している。見てみるがわかりやすいぐらい背が高い。ゴブリンは通常130ぐらいなのに対して、リーダーは150だ。20の差はわかりやすい。武器も木の枝とかそのような感じだ。陣形としてはリーダーを守るように囲っている。4体なので隙も大きいが、肉壁になると考えると妥当な選択だ。




 近距離戦闘に自信がないのでとりあえず魔法で応戦してみる。


「アースジャベリン×3」を放つ。横に並べるように放ったため、確定でどれかは当たるはずだ。さらに俺がどこにいるのかがわかっていないかつ魔法職もいないので魔法が飛んでくることがわかっていない。これはもう勝ち確定だ。リーダーの周りにいる1体に当たる。コボルトでも貫通したのだ。ゴブリンなんて余裕で貫通することぐらいは余裕だろ。




 狙って打ったのが幸いしてヘッドショットだ。頭から、砕け散ったゴブリンは、倒れ込む。まだアースジャベリンは威力を失ってはいないが、貫通したこともあり軌道がずれた。綺麗に貫通すれば、リーダーも頭に当たっていた。だが、今回は脚だ。太ももと股関節の間に刺さる。方向がバレてしまった。




 2階層のゴブリンでは、方向がわかっておらず、キョロキョロとあたりを見渡すだけだった。だが、リーダーがいることで、位置が分かり俺に向かって進んでくる。だが、気配を消しているのでわかるはずもない。そのまますれ違い。リーダーを観察する。なんと自己回復の効果を持っているようだ。




 足に刺さっていたはずのジャベリンがなくなっており、そこにできたはずの傷がもうなくなっている。小さかったということもあるが、いくらなんでも治るのが早すぎる。すれ違ったことでまた背後を取ることができたので再び放つ。背中に当たる。腹を貫通することができたが、途中で止まっている。それを引き抜く。




 血が出ているがそれがゆっくりと治り出している。これがリーダーの特有のものであれば楽だが、他の職業持ちも同じであれば一旦帰って作戦を練り直しになりそうだ。とりあえず周りは倒し終えた。あのあと詰めてくると思われたが、詰められることはなく、その場で周囲を警戒していた。そのため倒すのは簡単だったが、問題のリーダーのみが残ってしまった。




 今は向こうは気を張っている。魔法攻撃も避けられてしまうだろう。というか避けられた。そのため近距離で戦うしかない。とりあえず、首を狙う。切れたと思った。だが後ろに倒れながら回避することで避けられてしまった。さらに後転し距離をとられたさらに姿を見られたことで、また隠れることができなくなった。




 そんなことも想定内だ。ウィンドボールを地面にぶつける。そうすることで土煙が上がり隠れることができた。見失ったのか見渡しながら警戒をしている。そこに魔法を放ちながら突っ込む。先に早いウィンドジャベリンが突き刺さろうとしていたが、危機を予測してか避けられてしまった。だが、体勢を崩している。これなら確実に当てることができる。そう思い、今回は足に突き立てる。やはりまずは足を潰しておきたい。これで回避を取りにくいだろう。




 次は首を切り落とすか頭を潰したい。定番であれば、重要な部分ほど回復が遅くなる。そのため真っ先に首を狙ったのだが、避けられてしまった。それにまだ一歩も動くこともなく、地面に転がっている。




 そこに短剣を突き立てる。念の為にアースジャベリンからだ。腹を突き刺し、地面と縫い合わせる。もう転がり上を向くことはできないだろう。うなじがガラ空きだ。そこを目掛けて短剣で切る。切ったものの、回復をされたくないので何度も切り込む。上に座っていたことで立ち上がることができていなかったが、腕に力を入れ立ちあがろうとしていた手がだらりと力を無くし、折れていった。




 そして勝つことができた。

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