第430話

 亀を殺していた。騎士は不貞腐れ近づくのをやめ、石を投げつけていた。だが全てシールドで防御されて終わる。三角座りをして、座り込んでしまった。


 夕方になり、ドロップしたのは指輪だった。効果は、シールド自動発生だ。やっと、やっとラック上昇君が仕事をしてくれたようだ。今度労っておこう。遠距離攻撃に対して、自動でシールドを発生してくれる指輪だ。


 めっちゃいいじゃん。と思ったが欠点もあった。それは無属性魔法を持っていなければ、魔力消費量が2倍になることだ。俺が使っているシールドのように統合されているものだった。


 鑑定で見たが、実際に使ってみると消費魔力は3倍だった。俺が持つかな?使い方次第では遠距離にも騎士が対応することができる。そう考えれば強いのだが、純物理アタッカーに魔力はそんなにないだろう。それなら魔力切れを起こして気絶をする。


 それを狙われてしまうとタンクとしての役割を果たさずに終わることになる。次に魔術師と白狼だ。魔法を放つために魔力は取っていて欲しい。だが、魔法使いとの戦いをする時には遠距離の相手をしてもらわないといけない。


 それで打ち消してからの攻撃とかできそうだな。一番のネックはその魔力不足をどう補うのか。そこだな。俺の場合は、分身体と入れ替わることで緊急回避ができる。んー・・・。よし、魔術師でいいか。


 白狼には指がない?指輪をはめるところはない。そうなると魔術師しかいないな。指輪を渡そうと思うと、返してきて、手のひらをコチラに向けてきた。薬指にでもつけろとでも?


 断る。というかいじるためにしているだけだろ!右手人差し指に指輪を入れた。念じることでもシールドは出るそうだ。その時の魔力消費は2倍だ。魔力を操作し、指まで持っていき発動をするとそうなる。


 だが、強制的に発動となると魔力を勝手に操作されるのか、吸い取られているのかだな。どちらもロスが生まれているのだろう。外に漏れた魔力分を含めて3倍とかになっているのか・・・。意識すれば2倍、しなければ3倍。


 使い所を間違えると自滅か・・・。あとは発動条件の確認がいるな。相手から魔法を放たれた瞬間に発動するのであれば、魔法が使えない方がいい。魔法で打ち消すことができず、シールドで消す方が魔力消費が大きい。


 結果は、半径1mに入ると魔法をシールドが自動で生成されるようだ。これなら魔術師でも問題ないな。発生するのは魔法でけではなく、遠距離武器もそうだった。


 だが、反射速度の問題もあった。魔術師の横を狙い、騎士に投げてもらった。だがシールドが間に合わず、背後にあった木に当たるということが起きた。反射速度が低いのか、魔力操作のレベルが低いのか・・・。


 練習あるのみだな。

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