第982話
何事もなく授業が終わったが、両目を眼帯で覆っている面白人間がいると話題になっていた。車椅子をしながら、後ろでパーティーメンバーらしき人に押してもらっているようだ。授業とかは全部見学だろうな。原因があるのなら、欠席にはならないだろうから大丈夫だろう。
怪我をさせたわけではないから、あの王子の元パーティーの人ではない。両目を怪我した時が一番生きていく上できつそうだな。そう考え、授業の準備に入った。そして、問題なく授業が終わり金曜日になった。迷宮攻略の時間だ。今のレベルは人形師と解体士が共に19の状態だ。うまくいけば今日中にマックスにさせることができるだろう。
その1日で、14階層までのスタートとゴールを書いている地図が完成した。運がよかった。とりあえず次々に階層をすすんでいるため、宝箱とかは何も見つけることができていない。13階層はアリの巣のような感じで深くいけば行くほど分岐が分かれているような感じだ。
アリの巣がわからないのなら、木の根を想像すればいい。そして14階層はあみだくじのような感じのものを上に降りていくものだ。分岐点が8つ程度と、最初の選択肢が5つだったことから2回で正解を引き当てることができた。
出てきたモンスターは13階層では蟻で、14階層では1部屋につきオークが3体と言った形だった。他のダンジョンと比べて階層ごとの広さは狭くなっている。それが影響して出てくる魔物の数が変わっているのだろう。
そして、肝心の15階層はゴーレムだった。広めの空間にゴーレムが4体だ。ゴーレムの種類は石が多いようだ。迷宮の建築材料として石が多く使われていることからそうなっているのだろう。ドロップは金属鉱石だった。
鉄だ。これで金属不足を解消することができる。ここまでかっ飛ばしてきたが、いるのは1パーティーくらいだ。まあ、そうなるのは当然だろう。迷宮のマッピングに時間がかかるのと、運が悪ければ上の階層に行くまでに1日かかってしまうほどだ。
1パーティーしかいないのも、他の学年の人もダンジョンを潜っている。だが、それは他のダンジョンにすぎない。この階層にくるまでに時間がかかるということだ。さらに1、2年にとってはそれほど重要ではないイベントになる。なぜなら、金を稼ぐとしても前からしていた方のダンジョンの方が都合がいいからだ。
収入面を見ると、圧倒的に向こうのほうが美味しい。12階層のモンスターは基本的にゴブリンだ。そのゴブリンを殺すことで手に入る武器を売ることでしか生計を立てることができない。また、このダンジョンが卒業に関係なくなったことも大きいだろう。
この授業でやる気がない時には、この階層にくるのが良さそうだ。だが、時間の問題だな。金属の需要は落ちるわけがない。この階層が収入源になるのは想像が容易い。人がごった返す未来が見えるな・・・。
その15階層を周回してその日は終わった。そしてステータスを確認すると、職業に選択していた解体士と人形師のレベルがマックスになっていた。無駄な経験値をなくすために次の職業に切り替えた。次の職業は、風の賢者と魔法剣士だ。
魔法剣士の方は剣士と魔法の合体した職業になるため、レベルはどれくらいになるのだろうな?風の賢者の方は、レベル上限が60だ。そこまでレベルを上げるのは時間がかかるだろう。
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