第983話

 今回レベルマックスになった職業は人形師と解体士だった。このうち戦闘に使うことができるのは解体士だけだろう。


 まず、レベル0の時には解体術のスキルが手に入った。このスキルの効果は、どこに大まかなものがあるのかがわかるというものだ。このおかげで黒オークから魔石の位置を見つけることができたりしていた。そしてレベル5の時は、内臓把握だ。


 よくわからなかったため、確認をしてみるとその内臓の鮮度や状態がわかるようだ。あと、戦闘中に素材を傷つけないようにするために内臓の位置が戦闘中にもわかるようになるらしい。それは内臓逆位の可能性があるからだろう。完全か不完全かは置いておくとして、内臓逆位とは、内臓が反転しているということだ。


 肝臓を素材として欲しかったが、反対側に攻撃をすればいいだろうと判断し、攻撃をしたがかえって傷つけてしまうということを防ぐためのスキルのようだ。内臓は薬を調合する時に使うようになるのだから、ありがたいことだろう。


 そしてレベル10では、死体のみに働く血抜きをするための魔法だ。肉の鮮度を保つには血抜きをしないといけない。それを効率よくするための魔法だろう。死体というのが気になるところだ。死んでいる判定は、切り落とされた腕はこの死んでいる判定になるのかが気になるところだ。


 高速再生を持っている魔物でも、血の生成は一瞬で行うことができないはずだ。その切り落とされていた腕が死体判定なら、血抜きをすることで回復を遅らせることができそうだ。壊死とかもどうなんだろうな?そこは調べておく必要がありそうだ。


 レベル15では、皮へのダメージが上がる効果がついている。解体をするときにネックになるのがその皮だ。刃が通らずに切ることができないようになるのを防ぐための効果になる。この効果なら通常の獣にも適応されるだろう。生きたまま解体をするとか新手の拷問だな・・・。


 獣の皮へのダメージが上がるのは納得することができるが、ゴブリンやコボルトといった人形の生物にはこの皮剥ぎの効果が発揮するか?発揮してもしなくてもどっちでもいいが、発揮する方がありがたいな・・・。おそらく、死体にも防御力が残っているはずだ。


 残っている死体を見たのはあの黒オークのため、それ以外のものは知らない。だが、あの黒オークから魔石を取り出す時にも刀に魔力を込めて切れ味を上げてから切り裂いていたはずだ。死体にも元の防御力がある程度残っていると考えているほうが良さそうだ。


 解体士は一応生産食扱いになるはずだ。それなら、攻撃力といったステータス全般が低いはずだ。その能力不足を補うためにこんなバフスキルが手に入るように設計されていたのだろう。


 最後のレベル20には、鮮度維持時間増加のスキルだった。腐りにくくするためのものだろう。何に対しての鮮度維持をするのかを書かれていないため、全てのものに鮮度が維持されていると考えても良さそうだ。取った薬草とかにも効くのなら鮮度が一番いい薬草をすぐに使うことができるのは大きいはずだ。


 肉系のドロップも鮮度がなくならないように、わからない効果で付与されている。そのため鮮度を維持するのに必要なのは氾濫した魔物を解体するときくらいしか役に立たない。

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