第128話
今回は毒をはかす前に決着がついてしまったのだが、今度は毒を吐く瞬間の口の中を攻撃してみようと思う。毒を吐いている間は硬直しており、その場から頭を動かさない。ゆっくりとしてたいのだが、一瞬で順番が回ってくる。魔力の回復量アップとかがほしいな・・・。
まだ回復しきっていないので、これで戦えるのかが不安だ。まだ、案は多くあるのに、それを試すほどの魔力がない。全て試していると魔力が尽きてしまう。今回は脳を潰すことを目的にしているが、真っ二つに切ることが次の目的になってくる。
その話は後にして順番が回ってきた。時計を見るが・・・あとこれを入れて2回行けるかどうかだ。この戦いでの時間次第で、このまま順番待ちをして戦うのか、家に帰るのかを決めたいと思う。凍らすとしても1回できるかできないかの魔力量だ。
狼が自身を守るものもそこに入っている。もし守るのに失敗したならば、もう凍らすこともできないので、戦わずに撤退かな・・・。そんなことが頭の中によぎる。もちろんそんなことはさせないつもりだ。
対面をしたのだが、どちらも攻撃をしてこない。様子を見合って膠着状態が続く。動き出したのは、大蛇の方だ。体当たりや尻尾の攻撃であれば、口を開かない。それなのに口を開き出した。これが毒なら、俺が立てた仮説も変わってくる。ヘイトが分散している時に毒を吐いてくるということなのかもしれない。
<蛇視点>
毒を吐こうと口を大きく開けた瞬間。口の中に突き刺さり、肉を抉っているものが1つある。それは現在も肉をえぐり続けている。そしてその魔法が切れかけた時だった。目の前にいたはずの人間の姿が見えない。
だが、体には違和感が起きている。それは、口の中に何かがいるという感触だ。丸呑みをしようとするが、飲み込めず逆に刀を口の中に突き立てて耐えている。舌で攻撃をしようとしてもそれは刀で切り捨てられ、感覚が一瞬にしてなくなってしまう。
その口の中を対処しようとしていた時だった。側面からジーンとくるような衝撃が走る。あの黒い物体だ。あいつが体を殴ってきている。その対処をしようとし、そちらに体を向ける。顔に魔法が飛んでくるが鬱陶しいだけで、そんなに害はないから後回しだ。
そして、騎士に攻撃が当たる。その時だった。脳をかき混ぜられるような痛みが起きる。その痛みのせいで、攻撃はぴたりと止んだ。そして、倒れその口の中からはあの人間が現れてくる。少しずつではあるが、視界がぼやけてきた・・・。そして、体が光、宝箱へと姿を変わっていく・・・。
「浄化!!」
その広い空間で1人の声が響く。唾液や返り血でベトベトになっていた体が一瞬にして綺麗になった・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます