第454話

 15階で出てくる状態異常を使う敵。それはキノコだ。食べ物としては毒はないが胞子には毒が出る。睡眠効果のある胞子を出す個体もいれば、毒の胞子を出す個体もいる。


 傘の部分を裏返すことでそこから胞子が噴出される。中には肺にたどり着き、殺すことも理論上はできるらしい。そこまでに免疫に勝つぐらい莫大な力が必要なため、殺すことができるほど力がない。


 胞子で人間の免疫に勝つことができるなら、それが成長したキノコなら人間に余裕で勝てるだろう。そして、殺すと出てくるドロップはキノコだ。食べても毒がないのは立証済みなので問題はない。


 ただ、あの種みたいに体のどこかからキノコが生えないという保証はないので自己責任だそうだ。免疫が勝てばセーフ負ければ敗北だ。すごく怖くなってきた・・・。


 レア個体のキノコもいる。通常のキノコであれば状態異常になる胞子を浴びなければ必ず逃げ出す。だが、このキノコは違う。体の作りからもだ。通常の場合は、ザ・キノコな見た目だ。だが、レア個体の場合はキノコの頭に人間の体といういびつな存在だ。


 その体は脅威となる。肉弾戦ができるようになっていることだ。さらにここに状態異常が加わる。レア個体になると肉弾戦をするため、キノコの胞子は出にくくなる。だが、その代わりとなるように胞子を操作できるようになるのだ。


 仲間のはずのキノコから胞子を奪い取り、それをボール状にして投げつけてくる。胞子ボールだ。それも目眩しの一種だ。そして状態異常となった人間を攻撃し、HPを削ったり、麻痺しているのをサンドバッグのように使う。


 一番やばいのはその繁殖方法だ。木を媒介に繁殖するのは基本だが、人間を道具にする個体もいた。眠らせる胞子を持つものがこれに値する。眠らせて生きているまま、永眠させる。


 その人間に覆いかぶさるようにして体を埋め込み、繁殖をするようだ。これも海外で人体実験の一環として行われた。外に出てきた時に抵抗できるようにとのことだったはずだ。


 もちろん、使われたのは犯罪者というよりはギャングだったはずだ。一斉に捕まえてしまったが、牢屋に置いていても治安を悪化させるだけでどうしようもない人だったらしい。


 その人で実験をし、生きているまま、キノコを繁殖する道具になった。そして、血液を吸収しだんだん大きくなり、元の大きさになった。


 寄生された方の人間は、血液を全て抜かれ、骨と皮だけになったようだ。とまあ、本当か嘘かもわからない噂が出ている。1説には、眠りの胞子を気をつけさせるために作られたという話が有力視されている。眠っていれば何をされるのかわからないからねー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る