第58話
一番の問題児、大剣持ちのオークを見つけた。でぶっているが筋肉がしっかりとついているオークに大剣は脅威だ。ただの振り下ろしが、殺すための武器と化す。そのため、一撃一撃に警戒しなければならない。
いつもの大剣であれば、剣に少しだけ鉄が使われているだけだが、この大剣は全部が鉄製だと思う。そのことから質量があることがわかる。そのため、一番警戒すべきは振り下ろしだ。
位置エネルギーを得た振り下ろしには重さによって威力が依存する。もちろん自分自身の力も大切だが、一番影響するのが重さだ。薙ぎ払いはしてこないと思っている。ただでさえ、オークと同じかそれより大きいぐらいの大剣だ。その重さに振り回されるのが、目を見るより明らかだ。
通常よりは威力が低くなるだろう。オークの正面に立つ。そのまま、ファイヤージャベリンを飛ばす。平行して、ウィンドカッターを足下に飛ばす。そうすることで、どちらかに対応すると、どちらかが当たる。そのため、避けるという選択肢しか残っていない。
さらに魔力や音に反応しているだけで俺には気がついていない。そのため俺自身は遊撃として動くつもりだ。さらに目の前には、ゴブリンを召喚しており、そいつに注意が引きつけられている。
そいつだけではない。近くには、ゴブリンメイジやゴブリンリーダーも控えて戦う準備ができている。普通のゴブリンには話が通じなかったが、進化後の個体である。ゴブリンメイジやリーダーには話をすることができた。といっても一方的に話すだけで、向こうから話しかけてくるということがない。
(魔法を放て)
そう命令を出す。そして放たれた方を見ている隙に、俺が背後から詰め寄り背中を切る。だが、浅く切ることしかできなかった。未知の攻撃を受けたので、大剣を振り回し、俺を遠ざけようとしているがもうすでに俺は遠くに離れている。再び魔法の命令を出す。アースボールがオークの顔面に当たる。
今やっと、ゴブリンがいたことを思い出したかのようにノシ、ノシとゆっくり詰め寄っていく。ゴブリン程度は余裕で勝つことができると思っていそうだ。
(今!!)
そういった瞬間。ゴブリンのリーダー個体率いる軍隊が、オークに攻撃を仕掛ける。メイジを守っていたゴブリンは殺されたが、その分こっちの奇襲は成功した。さらに攻撃力を上げていたおかげで、足に深い傷を負わせることができた。ここからは俺の番だ。アースランスを飛ばし、オークの腕を飛ばす。そして、ジャンプをして近づく。さらに、上から短剣の雨を降らせる。
その攻撃から、腕で頭を守るようにして隠れている。もう両手を使っているので、横からの攻撃を守ることができない。そのため、横に立ち、ファイヤーランスを食らわせて終了した。これが、リハビリ期間で考えてきた戦闘方法だ。
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