第876話
武器の形をレイピアからトンファーに切り替えた。トンファーか・・・。先端が尖っており、腕に密着しているところは円柱の形をしている。攻撃方法は突きと打撃か。持ち手の部分を回転させることで、上からの打撃が攻撃方法だろう。
そう思っていた。だが、そのトンファーはさらに変形をする。振り回す方向にブレードを作り出し、斬属性が付与される。打撃も切り裂くのもできるようになった。両腕を硬質化させた魔力で覆うことで防御力を上げる。向こうもそれを理解しているのか、首や足を金属で覆い始めた。
指の内側にや腕の側面にブレードを作り出す。受け止めさえすれば破壊はできる。それは向こうもわかっていることだ。先制攻撃は突きから始まるのだろう。だが、攻撃してくるのは持ち手を回転させることでの振り回しだ。
腕の側面にしっかりとくっついていることから、攻撃力はそこにはない。その場所を押すことで攻撃を無力化する。バランスが崩れた。よろけたところを、腰あたりに回し蹴りを放つ。倒れている体の上に乗り、足を閉じることでしっかりと腕をホールドする。
スライム金属を使われないように魔力を流しながら、首元に刀を当て勝利が確定した。他にも攻撃方法は色々あるのだから研究がいるな。あと向こうも本気じゃなかったはずだ。ここを壊すほどの戦闘は避ける必要があった。力をセーブしての戦闘だ。運の勝負で勝った。
「卑怯」
頬膨らませながらそんなことを言ってくる。
「いや、あんたの方が卑怯だ」
そんな言い合いをしていると急に笑い出した。怖っ。その笑いが収まった時には、
「来週こそは負けない!」
そう宣言し、気持ち良くなったのか帰る準備を始めた。この授業は捨てようかな?そう思えてきた。今日みたいなことが、毎週行われる・・・。優しく言って地獄かな?別に捨てても単位は取れるからな。そこは問題ない。
はー・・・。ため息を吐き、どうしようか考える。召喚獣系がバレるのは避けたい。全部勝てばいいか。全部勝てば、そんな心配をしなくて済む。一番バレてはいけないのは、白狼とかの魔法使い系だ。対策が1番簡単で、相性の悪い属性を用意するだけでいい。
チーフとか騎士なんかはバレても対策という対策はできないはずだ。相性の悪い武器と言っても、騎士の場合は近づくことができない武器(魔法)だ。またチーフの場合は、圧倒的な力の差とか変な攻撃だろう。
まあ、この辺りはどうしようもないからな。情報を教えろと言われた時には、騎士の情報を出していれば良いだろう。これが最高の召喚獣です。とでも言っておけば、他の召喚獣なんて聞いてこないはずだ。
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