第894話

 戦争の方だが、終了をしていた。ネクロマンサーが死んだ後、これ以上戦争をするのであれば勇者が相手になると宣言した。どうやら本格的に戦争を終わらせに行く必要が出てくる。どちらが善悪かをはっきりさせるための戦争だ。


 勝敗はしっかりつけないと、なあなあで済ますわけにはいかない。その後の賠償金や今後の話に関わるのだから、仕方がないだろう。どちらが負けになるのか。そう言った話が繰り広げられる。勇者の国では、どちらも悪ということで賠償金を両方ともに支払えばいいのでは?というのが意見だ。一番ありえないことだ。


 善悪がつかないからこそ、戦争が長引くことになる。いっそのこと、イスラム教の国に全ての罪をなすりつける方が平和的だ。前例があることから、そういえば信じてくれる人は多いだろう。どちらもその案が一致していればの話だ。


 アメリカ側は、ずっと戦力が拮抗していた状態から上に立つためになんとしても勝ちたい。それはロシア側も同じだ。だが、その考えにはヨーロッパの意見は何も加えられていないことが問題となっている。正直、今回の戦争で1番の被害者はヨーロッパの国々だろう。


 戦争で国境で別れることになった。さらに戦争で田畑に血が入りしばらくは農耕はできない状態だ。この状況を打破する必要があった。そのことに気がつくのはしばらく経ち、ヨーロッパの国々でデモが起き始めた頃だった。アメリカ側は、最近見つけた発電技術を教えることを条件として取り入ろうとする。


 と言ってもほとんどが原子力発電などでもう十分といえる電力の供給を達成しているため、必要ではない。対するロシア側は、しばらくの間関税の廃止をするようだ。国民が欲しかったのは、こっちの方だった。戦争では農作物の他、畜産もダメになってしまう。


 そのため、しばらくの間はダンジョンでの食糧が頼りになる。だが、なんといっても高い。ダンジョンに利益を求めた人が、税金を上げてしまったためだ。その結果、元の買取金額の2倍ほどの値段で売買されている。


 関税がなくなったことで、安いダンジョンの食品が流れることになった。これで飢餓も安心して防ぐことができた。アメリカ側は発電技術を渡しただけで満足している。南ヨーロッパは、飢餓に見舞われ勇者の国に統合されることになるのだが、今は知らない話だ。


 結局、どっちが悪なのかが決まらないため、その会議は持ち越されることになった。もう勇者が介入して、両方とも悪と判断した方がいいのではと言われている。また、2月に行われる勇者会議で、探索者で勝負をしてもらい勝った方が勝者とするという話が出たと噂されている。

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