第205話
「スラッシュ」
「薙ぎ払い」
ほぼ同時に発動した。スラッシュと薙ぎ払い、どちらも斬撃を飛ばすことができるアーツだ。中心当たりでぶつかる。だが、一番最初に動き出したのは剣士だった。薙ぎ払いとスラッシュでは、その効果範囲の差がある。薙ぎ払いの方は効果範囲が広いが威力は低い。スラッシュの場合だと、効果範囲も威力も普通だ。そのため、剣士の方が硬直が早く解けたのだろう。
「てりゃー」
空中に飛び上がり、切り掛かる。バカだな・・・。空中に飛び上がるなよ・・・。気力操作は取っているようだが、能力上昇までは行っていないようだ。移動速度も普通だ。それは相手も同じだろう。取得できても生かし切れていない。
柄で受け止められる。気力も通っていないので、それを切ることもできない。もどかしさが少しずつ溜まっていく。これが野次を飛ばしたくなる気持ちなのか・・・。最初の方は歓声が飛んでいたが、今では歓声が少なくなっている。アーツを使ったことによる失望だろう。
空中にある足が地面につく。ここで横に流すことができればバランスを崩すのに・・・。そこから剣士のラッシュが始まる。だが、全て槍士によって読まれており、全て防がれている。ラッシュを選択したことによりスタミナも大きく削られたのだろう。息も上がっている。剣が引っかかり抜けていない。
そこに、槍士による突きが腹に入る。体制を崩してからの一撃なためその威力は高い。だが残念なことが一つある。それは槍士から見て左に体制を崩さしたせいで、持ち替えての石突での攻撃だ。利き手よりもダメージは低いが、それでも強烈だろう。今度は仕返しとばかり槍士からラッシュに入る。
また青く光っているのでアーツを使うのだろう。そのアーツの名は◯連撃だ。丸の中には数字が入る。その数の連続した突きが体に当たることになるだろう。連続ということもあり、威力は力を込めた突きよりかは低い。当たれば強い。それだけだ。
アーツは使ってなんぼという風潮が今もある。硬直があるのを嫌って使わない人もいれば、威力高いじゃんという脳死で使う奴もいるほどだ。今回は脳死ではないが威力高いじゃん派だろう。
「5連撃!!」
そう叫ぶ。だが、その攻撃は、槍士の横を走ったことによって全て不発に終わってしまった。連撃した槍を当てるべく体をひねらすが、全て槍士が通った後を攻撃してしまっている。そのため全て空振りだ。その後連撃が終わった頃の反対側まで来ている。その背後から切り掛かった。これぐらいなら出血で終わるだろう。
その予想通り出血で終わり、この剣士が勝利して終わった。これに懲りてアーツを使う頻度が減ればいいのだが・・・。
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