第206話
次の試合は両手武器同士の対決だ。片方はハンマー、もう一方は斧だ。一撃必殺だ。避けてからの一撃か、最初の攻撃する時の一撃で決まる。ロマンの塊のような武器たちだ。もし、剣や槍で撃ち合ってしまうと絶対に折られる。そのため、地面に落としており、持ち上げている最中に攻撃をするというのが一番効率の良い戦い方だ。いっそのこと魔法で近づかずに打ち込むのも良いぐらいだ。
ダンジョンを深く潜っていくことでミノタロスと戦うことになる。だが、こいつの場合は両手斧のサイズを軽々片手で扱う。避けることを中心に戦うことになるわけだが、その参考になればいいな・・・。戦い方のイメージが掴めていない。それを掴むためには自分でその武器を使うか、使っている相手を観察するのかのどちらかだ。
審判をしながら観察するとするか・・・。どうせ低レベルだし死ぬことはないだろう。ということで名前を呼び出した。そして入場する。どちらもリングに上がった瞬間。その着ている服を脱ぐ。アニメであるような、上に投げ飛ばすような感じだ。
どちらもボディービルダーのような肉体美ではないがしっかりと筋肉がついているようだ。その筋肉により、観客からキャーという黄色?と言って良いのかわからない声援が出ている。投げた服だが斧を使っている人は失敗してあまり飛んでおらず、リングの上に残っている。ハンマー君の方はしっかりとリング外に出ている。
向かい合ってスタートの合図が始まらない。コマンダーから注意が入ったようだ。斧君の後ろを指差す。リングに残っている自分の上着を見つけると、顔が真っ赤になっている。まるで完熟したトマトのようだ。カッコよく決めたと思いきや失敗する。うわー、見ているこっちまでも恥ずかしい。
気を取り直して、開始する。どちらもゆっくり近づいていく。斧くんは上からの振り下ろしをするため肩に担いでいる。対するハンマー君は打ち上げるようだ。ハンマーが地面を擦っている。そして、近づきどちらも攻撃をした。ハンマーの平と斧の刃の部分が当たる。火花が散って同じぐらいの力量か?
そう思っていた。だが、実際には違っており斧の刃にヒビが入っている。これだと何発か撃ち合えば砕けるな・・・。頭が良いのか、それともたまたまなのかわからないが、武器差が生まれる。上同士であれば、柄の部分同士でぶつかる可能性がある。だが、上下にしたことにより攻撃する部分同士でぶつかる。
何発か撃ち合い、斧の刃が完全に破壊される。撃ち合った瞬間に刃が粉々になる。軽くなったその棒を瞬時に捨て、殴り合いに切り替えたようだ。だが、避けることができるのか?斧使いやハンマー使いなんかは、ステータスは物理防御や筋力に多く振られることになる。生きることはできるだろうが、攻撃を避けることなんてできると思っていない。
今度はハンマーでの横殴りだ。範囲攻撃なので、上に飛んで避けるか、背後を取るしか方法はない。背後を取ってもハンマーを回転して攻撃をするとなれば、話は別だ。ハンマーに合わせて移動を続けなければならない。
斧くんは空中に飛んだ。だが、次に待っているのは着地狩りだ。空中で移動をするスキルを持っていないだろう。少ししか離れていなかった。それが大きな敗因になってしまう。横に振った反動を耐えるため、一歩前に出ていた。そのため次の攻撃が届いてしまった。それが振り下ろしだ。威力に重さが足された強力な一撃をガードするしか方法はなかった。
その威力に耐え切れず、片膝をついて耐えているのだが、限界が来たようでギブアップと言った。だが、そのハンマーを持ち上げることができないようだ。もし離すと斧くんへの負担が大きくなるだけだ。
面倒だが、俺が持ち上げるしかないようだ。近づき、持ち上げて横にずらす。急に重いものを持つとバランスをくずから嫌いだ。地面に置いて、回復魔法をかけてリングから出ていく。その後戦ったもの同士握手をして控室に戻ったようだ。
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