第45話
その後家に帰り、一人焼肉で腹が一杯になるまで、肉を貪り食べた。部屋の椅子に座り、武器のことについて考える。
最終的には、全ての武器を扱えるようにしたい。短剣や隠密との相性がいいのは弓だろう。ということで次は弓を使う。大体のモンスターが持っている武器は剣だ。そのためリーチでも勝っている。問題は出費だが、魔法弓を買おうと思っている。魔法のレベルが上がってきているのでなんとかなるだろう・・・。ならなかったら、タンスの肥やしにすればいいだけだ。
いつか、使う日が来ることを祈っておく。このゴールデンウィークはいつも通りでいく。そして、2〜4日目。ずっとゴブリン狩りをしてレベルを上げている。ということで5日目になった。折り返しということもあり、オークに挑む。5階層のオークは1体のみの簡易的なボス戦というった感じに近い。
レアボスとして、オークの武器持ちが現れる程度だ。その武器が効果付きかどうかは置いとくとして、扉がドン!と置かれている。森の中に扉、なんという異物感。そこに入ると次の階に行けますよと言っているものだ。早速入ることにする。通常のボスであれば逃げることができないのだが、このオークだけは扉がオープンになっている。そのため逃げることが可能になるのだ。
だが、問題なのは人が多いことだ。休日だということもあり人が多い。そのため、ゴブリンを狩っていて人と出会うことが度々あった。人数待ちになっていて今では、5パーティーほど集まっているように見える。言っても25人ぐらいなので、そのぐらいだろうという予想だ。一列に並んでいるところを見るに、やはり日本人だなと思ってしまう。
これが海外であれば、割り込みもありそこで喧嘩になり殺し合いに発展する。そんなことが起きることはないので、安心だ。何やらフラグめいたことを言ってしまったが、別にいいだろう。そんな輩は潰せばいい話だ。
さて1時間ほど経った頃だろう。俺の順番が回ってきた。それよりずっと俺のことを見るのはやめてもらいたいのだが、やはりソロは珍しいようだ。ということで戦う。逃げることはできると言っても、中のものから見て逃げるだ。外から入るには門を開けなければならない。しまっている扉から飛び出してくるのはシュールだった。
「ふうー。やるか!」
両方の頬をパシッと叩き、気合を入れる。オークの背の高さは、180ぐらいだ。デブなことから、大きく見えてしまっているだけかもしれないが、見た感じこの大きさだ。体重を支えるため、筋肉や脂肪で太くなっている脚や腕、さらに脂肪の鎧をみにまとっている。
こちらをじっと見つめている。その目はいつ戦い出すのかと観察をしている目だ。バレているなら仕方がない。そう思い、アースジャベリンを飛ばす。だが、サイドステップをされ避けられてしまった。追尾をできないので、避けられたらもうゴミとなる。
こいつ、動くぞ・・・。動けるデブだ。そう賞賛してしまった。さらにお返しとばかりに詰め寄ってくる。おそらく一発も当たっては行けないデスゲームの始まりだ。近寄らせないためにも、ファイヤーバレットをおみまいする。熱のため、避けることができても、その暑さを感じるはずだ。脂肪は熱に弱い。そのため、汗をかいているようだ。
「ッチ、やらかした!」
これでは、短剣が通るかどうか不安だ。汗で滑って、刺すことができないかもしれない。そのため慎重に戦う必要が出てきた。毒を一回回させようと思っていたのだが、予定変更!魔法でトドメをさす。オークも自分の汗にイラついたのか、腕で汗を拭っている。
この時が隙のようだ。ウィンドジャベリンを放つ。避けられてしまったが、切り傷が複数箇所入った。そこなら切りに行ける。そう思い。地面にウィンドボールをぶつけ土煙を立てる。目眩し兼隠密をする。見失ったオークは警戒をしておらず、何やら安心したのかホッとしている。馬鹿なのかもしれない。
目の前に立ち、毒を出しながらつき立てる。オークが叫び声を出す。デブということだけあって、声がでかい。急いで耳を塞いだが、少し眩暈がする。オークは毒に弱いようで、すぐにフラフラし始めた。
この4日間でレベルが上がりできることが増えたその芸当を見せることにするか。まずは、またアースジャベリンを放つ。もちろん通常に放つのではなく、地面から生やす。オークの足元からだ。オークを貫こうとしているが。貫けたのは、腕や、手だった。貫通までは行かず、刺すことができた箇所は多かったのだが、
殺しきれない。魔法系のレベル4はプロテクト系だ。簡単にいうとバフだ。ウィンドプロテクトを発動させる。素早さが上がっているのが実感できる。また毒を入れるために進む。素早さが上がっているが、脳の処理速度も上がっている。そのため長くは使うことができない技だ。下手すれば自滅することになる。
それを迎え打つために、握り拳を作っている。だが、俺の速度には反応できていないようだ。身体能力を向上させ、アキレス腱の少し上をきる。流石にアキレス腱は硬いと思ったので、切るのは諦めた。だが、これで踏ん張りが効かなくなるだろう。俺の方に向くまでに両方とも切ることができた。これで近づく時にも痛みが伴うはずだ。ついでに背中を刺してきた。これで他の毒も入ってくれれば楽になる・・・。
急いでさっきいた場所に戻る。さっきほどよりは、ふらつきが少し収まっているのだが、スキルを使おうとしているのがわかる。赤いオーラが辺りに広がる。急いでその場を離れたが、時すでに遅し、タックルをしてきた。ぎりぎり避けることができたのだが、その風圧により少し飛ばされてしまった。
節々が痛い。何箇所かの骨が折れているのかもしれない。さらに左腕に力が入らない。またも赤いオーラが立ち上がる。だが、ピクッと体を硬直させた。その隙に首に短剣をさす。もちろん毒入りだ。さらにその短剣に魔力を思いっきりこめ、毒を出しまくる。ピクッピクッと体を硬直させ、最終的は泡を吹いて倒れた。
これでもう勝ち確定だ。さらに光になっていくのがわかる。
「っしゃー!!」
やりきった。さらに宝箱だ。その前に自前のポーションを飲む。体が光だし、痛みが治まったような気がする。宝箱を開ける。そこにはスキルブックとポーションが置かれていた。さすがに今日は激戦だったので、一旦帰ることにする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます