第62話
その後も何体かモンスターを倒し、換金へと持っていこうとした時だった。
「あいつです!!横からモンスターをさらったのは!!」
そう言いがかりをつけてきたのは、モンスタートレインを仕掛けてきたやつだった。気狂いに絡まれるとは思ってもいなかった。だが、こんな奴らも存在てしていいのか?
詳しい話を聞こうそう言われて、上の階へと連れていかれることになった。正直、振り解いて逃げることは可能だが、そのほうがめんどくさそうに感じ、やめておく。
「で、なんですか?」
向こうがトレインをしてきたにもかかわらず、言いがかりでイライラが溜まっている。そのため、返答次第では手がでそうになるが、グッと堪えている感じだ。
「そう怒らんでいてくれ・・・。」
「横殴り野郎が・・・」
そんなことを言ってきた、モンスタートレインの野郎の前に魔力をこめ近づき、寸止めで殴った。
「これで静かになりましたね」
そういいながら、俺は微笑む。ニヤニヤしていた警備員の顔の色は真っ青に変化している。ざまーと内心思ったのだが、顔には出さない。
「で、話はなんですか?」
めんどくさい。正直こいつより強いのであれば、横取りをする必要がないことぐらいわかるだろう。そして、一人で来ている理由も・・・。
「つまんない茶番はいらない。」
そういって立ち上がり帰ろうとしていた。
「チョっt」
そんなことを言いながら俺を引き止めようとしている。イライラの限界を迎え、本能のままに魔力を出した。一瞬のうちにその部屋自体は魔力に満たされ、あの野郎は見事に気絶している。
今までうるさく、ここまで聞こえてきた下の階の喧騒は、静まり返っている。魔力出しすぎたか・・・。そう感じ、魔力の放出をやめ、荷物を持ち換金をする。
換金を待っている時だった。目の前には勇者くんとあの野郎が話しているようだ。換金中に緊急性ときき話を聞いていたようだ。そして話を聞き終わった頃には、俺の方を向いている。
「クッッッソ、嫌な予感がするんだが・・・」
番号が呼ばれ、取りにいこうとしているが、勇者くんに手を掴まれた。
「だる・・・。」
そんな声が漏れても仕方がないだろう。
「やっぱり君か・・・。部活にも来ないだけでなく、法律スレスレのことをして恥ずかしくないのか!!」
でた、勇者が主人公の時に言うであろうセリフだ。くっそ笑いが込み上げてくるが我慢だ。さらに続けてこんなことも言ってくる。
「あのオークの分の報酬を払いなさい!!」
お前は俺の親か何かか?普通に説教とかムカつくし、さらに上から目線であり、俺が絶対間違ったことをしていると確信していることが余計にムカつく。笑いが一瞬で治る。
「腕はなせ、切り落とすぞ」
久しぶりにドスの効いた声を出すことができた。怖気付き、手を離した隙に換金場所から、早く金を受け取り家に帰ろうとした。
「もういい、決闘だ。」
かすかにそう聞こえてきた。うん、ここは現代日本で、中世ヨーロッパではないのだよ君。なぜここまでラノベのような展開になるのやら・・・。もういっそのこと殺して、絡めないようにするか?それだと、犯罪者だしなー。よし!トラウマを与えるか!
換金時に今回は、魔力ポーションが落ちたがそれを換金せずに持ち帰る。勇者くんが絡んで来なくなると考えると、必要経費だな。
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