第61話
梅雨になり、雨が多くなったことで外に出る気分ではなくなり、ダンジョンに行く機会が減っていった。そして夏がきた。ということはもうすぐ夏休みだ。宿題はそれほど多くは出ない。そのため、早ければ7月中に終わらすことができる。
外が蒸し暑くなる。そう思うかもしれないが、ダンジョン内では気温が一定だ。寒くもなく、暑くもないちょうどいい気温が1年中続いている。そのため、避暑地として使おうと思っている。
7月いっぱいまでは宿題をしていた。もちろん、たまにダンジョンに行くことで、腕を鈍らせるようなことはしていない。そして8月になり、ダンジョンに潜るようになった。目標は次の階層に行くことだ。次の階層では4階層のゴブリンが、コボルトになったといえばわかりやすいだろう。
問題としては、その素早さや集団行動の意識の高さだろう。1回吠えるだけで、ワラワラとあの黒光な虫のように湧いてくる。さらに血の匂いでも近寄ってくる。そのため、迅速に対応すれば問題ない。と言われているのだが、一人でどう戦うのか・・・。
解決策が見つからない限りは、しばらくオークを狩るしかない。オークを狩るのも手慣れてきた。一瞬とはいかないが、武器を何も持っていなければすぐに決着をつけることができる。
武器持ちには、危なげなく近寄らずに勝つことができる。それなら次の階層にいこう。通常のコボルトでの連戦も慣れて、息切れもしなくなった。というか、弱すぎて、一撃で葬ることができてしまってトレーニングにもならない。それよりか、モンスタートレイン的なことになっていないのかが不安だ。
このオークの階層に上がってから、多くの人を見かけるようになった。これほどまでに金を儲けやすいのであれば、多く集まるのは当然だ。その分戦う回数が減るものの、安定した収入を得ることができ危険も少ない。
と思っていたのだが、モンスタートレインをされる側だと思ってはいなかった。
「パース」
と言いながら、一人の男が突っ込んできた。ニヤニヤしたその顔にくそむかついて、殴りそうになったのだが、我慢をしとりあえずオーク五体の相手をする。
幸いなことに5体とも武器を持っていなかった。そのため、まだ楽に倒すことができそうだ。
「ファイヤーランス!!」
そう唱え、魔法を呼び出す。そして、足を貫く。一番前が貫かれ、遅くなったが、後ろからくる奴らのスピードが落ちていない。ということは、押されるということだ。そのせいで、前のやつが潰されて死んでしまった。
かわいそうに・・・。横には、ゴブリンメイジを召喚しており、魔法を使わせている。そのため、少しずつではあるがHPを削ることができている。まだ、レベルが低いこともあるが、威力は小さい。そのせいで倒すことができていない。
とりあえず、ファイヤーランスで残りの4体の足に怪我を負わせた。立ち上がることができず、血が溢れ出ている。その隙に顔を思いっきり蹴り、首を折る。これで残り3体だ。ゴブリンリーダー率いる部隊が1体のオークと衝突した。
犠牲を出しながらも、腕を切り落とし殺すことができていた。そして、残り2体のオークには、魔法で殺すことにするか。「ファイヤートルネード」
殲滅用の魔法だ。そのため魔力消費も大きいのだが、オーク程度であれば余裕で倒すことができる。真っ黒こげになったオークがそこから出てきた。そして、光ドロップ品へと変わった。
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