第936話

 魔術師にジャイアントバットの対処をしてもらい俺は、狼を銃で殺しにいく。だいぶ戦闘のテンションや気力がなくなっている。今から人間同士で同じように蠱毒でもするか?残った1人が恨みや怒りを受け止め力を蓄える。


 その人にかかる負荷は大きいだろう。ぶっ倒れていた破壊神が復活したようだ。怪我をしないように拘束したのだから、そこは感謝してもらいたい。破壊神の手で最初に出てきたゴブリンやコボルトは死んでしまった。さて、反撃の時間だ。


 獣化を発動するのか?そう思いながら横目で観察し、狼をぶち抜いていく。2回連射しないといけないため、多くの数を仕留めることができないのが残念なところだ。原因は、持っているスキルだろう。こいつも身代わり系のスキルを持っていた。その受けたダメージが移されるのは、上に乗っているゴブリンだ。


 気がつくまでは上に乗っているゴブリンにあたったのだと考えていたが違ったようだ。ゴブリンを始末することができたのなら、その狼を殺すことが可能になっている。それだけを仕事にするのでも良さそうだ。屍の地面が出来上がっていく中魔力切れが発生したため、魔法使いが全滅してしまった。


 ここにネクロマンサーがいない分だけまだマシだ。前衛の底力(そこぢから)を見せる時だ。さすがは破壊神だ。周りの被害なんて何も考えていない。進化したことで完全回復した魔力を込めたファイヤーボールで殲滅を開始する。


 戦っている前衛なんてお構いなしだ。その攻撃で何人かは死んでしまっただろう。・・・悪魔だなー。バフがかかっていないオークがこれで死んでしまった。そして、バフがかかっているオークは生き残ったが重症だ。残っているのは魔法使いだけだが、生き残っている数が少ないため問題ではない。


 念の為避難経路として、セーフポイントを作成しておく。入るか入らないかは個人で決めてくれ。一応攻撃やモンスターの侵入を防ぐ効果はあるが、攻撃を受けるとその効果時間が減少する仕組みになっている。数回の完全防御ができるスキル程度の解釈でいいだろう。空中に出すことはできず、地面限定だった。破壊神の攻撃なら簡単に防ぐことができるはずだ。


 一旦全滅が終わった。ここで出てくるのがトロールだ。タイミングが悪い。勝利の祝杯ムードだったのに、こうなったのでは戦闘が継続される。それよりもボスはまだか?そろそろ出てきてもいいと思うけどな・・・。


 トロールの数は2体だ。まだこれが救いだろう。巨人とも取れる大きな体に、強力な再生能力を有している。それがこのモンスターの特徴だ。殺し方は単純、再生する前に殺せだ。オークよりも再生能力が高いため、即死攻撃か再生能力が枯れるまで永遠にねばるかのどちらかになるだろう。


 破壊神の専売特許だね。背丈が高いし、臭いから1体はすぐ殺すか。もう1体は破壊神くんに任せるか。分身体、5体分でいいかな?どの階層かもわからない敵だ。オークナイトの時よりも多くしていて問題ないだろう。


 魔力を込め、圧縮に圧縮を重ねた。俺の全部の魔力を込めたぐらいに匹敵する量だ。青く燃えており、その威力が馬鹿みたいに上がっているのがわかる。込め終わったため、その魔法を放つ。トロールの脳天に突き刺さり、体を2つに引き裂きながら地面に向かって進んでいく。


 地面に当たった瞬間爆発し、体が完全に2つに分かれてしまった。スライムじゃあるまいし、これで分裂するとかは流石にないだろう。いくら再生能力が高くても、完全に2つに分かれるとその効果も意味をなさない。真っ2つになったのだから、心臓から脳みそまで完全に機能は停止しているだろう。


 爆発の影響で、地面の代わりになっていた死体が弾け飛び、返り血や死体のタックルを受けた人が何人かいたが生きているようなので安心できる。ダンジョンの入り口付近の地面は抉れていないことから、不壊の効果が付与されているのだろう。

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