第1085話
今度は普通のオークだったことから、王子に対処を任せる。前衛として攻撃を仕掛けてくるのは、槍を持ったオークだ。オークナイトは今回後衛で弓を持っている。そこから指示も出しているようだ。
編成は、中距離の槍持ちが2体、弓が2体、魔法が1体という構成だ。戦い方は絶対に殺すというよりかは距離を保ち、殺されないように立ち回るタイプのようだ。オークナイト自身が後衛にいることで視野も広くなり、出す指示の質が大きく上がる。
槍持ちのオークAが先に攻撃を仕掛けてくる。そして、槍持ちBは王子の背後を取るために動き出す。その背後に動こうとしているオークの方に攻撃を仕掛けるために詰め寄ろうとしていたが、その行動をすぐ止めオークAとの距離を積める。
弓持ちが横に動いていたことで射線が広がっていた。もし、あのママ攻撃を仕掛けていれば、オークBは後ろに下がり、それを深追いした王子が弓持ちに狙われるという結果になっていた。そして、動きが止まればオークナイトから飛ばされる矢やその近くにいる魔法使いの魔法が飛んでくるというおまけ付きだ。
順調だねー。挟み攻撃をしようとしたオークが数歩踏み込むと当時にバックステップで軽く距離をあけ、槍を持つ位置を遠目にすることで攻撃範囲を広くする。狙いは弓オークの一撃だ。弓が悲鳴をあげるほどしっかりと引かれている。
そして、ダークエンチャントが付与された瞬間、その矢が飛ばされる。アーツも乗っており、放たれた矢のスピードが速いというものだ。その攻撃に気がついたため、それを盾で弾こうとした。このタイミングで槍持ちのオーク2体が攻撃を再開する。
といっても矢が飛んでいく方向には立たず左右から挟むことで逃げる方向をなくす判断をしたようだ。左右に逃げることはできず、攻撃されている。そのため、少し判断が鈍ったようだ。選んだ選択は矢を盾で弾くことだ。
タイミングが悪い。というかオークナイトが弓を持っているパターンは初めてだったのだろう。体の間に入れる盾のタイミングが遅い。矢をチラッと見てから再度判断したため、その矢の速さを理解した。盾で防ぐのを諦め、体を逸らすことでその矢を避ける。だが、無理な体勢からガードをするために動かしていた腕だけは、その判断が遅くなった。
左腕にかすり傷が入る。ダークエンチャントがかかっていた矢だ。当たってしまえば、そこから感覚が消えていく。盾の裏に剣を入れる。矢が当たったことで安堵が生まれたのか、オークBの足の速度が下がった。感覚が残っているうちに盾を左手から右手に持ち替え、槍を弾き飛ばしながらそこへ逃げていく。
そして、逃げた先で回復魔法を体にかける。当たったのはにの腕当たりだ腕を動かすためにその辺りが柔らかくなっている。その柔らかくなっているところを切られてしまった。出血している切り傷に回復魔法をかける。脳の処理が追いついていない感じか?今のところ4つの思考を同時にするのが限界のようだ。
槍のオーク2体の動き、オークナイト、弓オークだ。この4体の動きを視野に入れながら戦闘をするため、魔法を撃つことができないのだろう。単純な槍持ちの攻撃方法さえわかれば問題はないはずだ。盾で吹き飛ばした時に槍が半分ほどの長さに折れている。攻撃範囲が狭まると同時に、王子の攻撃範囲に入りやすくなったはずだ。
援護の合図はまだ出ていないため、問題はない。さらに矢が当たった位置は悪かったが、刺さったわけでもないため、すぐに闇魔法の効力は消えていくはずだ。
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