第864話

 そして、近接戦闘の授業では、武器を使うことが強制されることになった。自分がいつも使っている武器を使ってもよく、壊したくないのであれば予備の武器を使っても良いらしい。最悪、布を巻くことで攻撃力を減らす選択肢もあった。


 そんなことを許してくれなそうな人が一名いる。ニコニコで、いつものスライム金属を使った戦闘用のレイピアを装備しているようだ。前期も使っていた普通の金属製レイピアを使って欲しかったなー。前期もらっていた金属の武器は、そのまま自分のものにしていいらしい。いざという時に売って自分の金にして食いつなげとのことだ。


 少しずつではあるが、この系統の授業を受ける人が減ってきているように感じる。そのおかげで、場所を広く使えるのだからありがたいか。気力で武器を覆うことで耐久値を上げるのは別にいいが、身体強化は禁止されている。斬撃はどっちなのだろうか?まあ、防がれるからどっちでもいいや。


 寸止めをできる攻撃でも、勢いを殺すことができずに最悪殺してしまうことになるからだ。これを防ぐのが目的だろう。


 おそらく進化をしているであろう。あのピンクの悪魔との戦闘だ。正直戦いたくない。攻撃の主体となっている魔力を禁止されているため、俺の攻撃手段は刀と斬撃だけだ。魔力形質変化で、武器を作るのなら武器扱いか?


 ・・・怖いからやめとこ。とりあえず、10分間の戦闘から始まる。最速で地面を破壊する気満々のようだ。片手に身長を超えるぐらいの斧を作り出し、ジャンプしながら近づき振り下ろす。飛んだことで方向を絞ることができるので簡単に避けることができた。


 地面に切り傷が入り砂埃が上がっている。今回からは、壊しても大丈夫なように地面が土になっているのが救いだろう。空中に飛び上がり、空中で浮遊している。魔力を感じないことから、シールドで上に乗っているわけではないだろう。これが舞空術か・・・。


 その片手には剣が造られており、それを投げつけてくる。1撃でゲームオーバーだ。それを避けたり、刀で弾いたりしながら逃げていく。当たらないことよりも俺が攻撃をしてこないことに不満があるようだ。頰(ほほ)を膨らませている。


 地面に降り立ったと思いきや、向こうの行動ターンは終わらない。舞空術で地面スレスレを飛行しながら、地面に刺さっているスライム金属の回収をしながら近づいてくる。その持っている武器は槍だ。それを突き出し、上に薙ぎ払う。


 そのままスライム金属を操作し、反対側に刃を作り薙刀に形を変える。武器のレパートリーが増えたぐらいかな?攻撃するタイミングを掴みにくい。アーツって使用不可かな?このタイミングで連斬を出したいところだ。


 こいつもうラスボスでいいだろ・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る