第863話
そんなわけで後期の授業が再開された。サークルとかに何も入っていないことから、年下との関わりがない。そのため、どんな人が入ってきているのかの情報を得ることができない。問題児はそんなにいないだろう。噂としてもそこまで大きいものが広がっているわけでもなさそうだ。
今年入ってきた新入生の中で一番噂になっているのは、王子様系の女子だった。背丈も高いらしく、少し羨ましく思った。2つ名は白馬の王子らしい。馬にも乗らず、女であることからその称号は全て矛盾しているようだが、自称称号鑑定士によるとその称号が手に入っているそうだ。
2つ名がそこまで行っているのであれば、王子関係の職業やナイト関係の職業についているはずだ。馬でさえ聖騎士の職業につくことができるのだから人間もつくことができるだろう。まあ、原因はライトエンチャントで無双していたことだろう。
それで敵を殺した数に応じて、職業が解放していく。後は、魔法少女が入ってきているとか。そんな馬鹿なと思うが、その噂は大きく広まっているため実在している可能性は高いだろう。他に目立つような人はいないようだ。
月曜日にゆっくりと家で過ごし、火曜日になった。早速、魔法で作った銃を持ち指定されている場所に向かう。一応年上の部類になるからな・・・。そこにいたのは、10人程度の人だった。銃を持っているだけなのでその強さはわからないが、ほとんどが年下だろう。
基本的に使っているの実銃のようだ。オークションで落札したであろう拳銃から、アサルトライフルまでいろんな武器を使っているようだ。・・・不安だな。ここ最近銃の暴走を見てきたことから、あの1年も暴走させるのかもしれない。そう思ってしまう。
授業開始の挨拶をし、各自の場所に散らばっていく。その1年らしき人たちは、入り口付近で銃を取り出してい流のを見つけた。そこで撃つのであれば、俺は思いっきり端の方に移動する。そして、移動をした時には先着がいた。まあ、歩いて移動をしていたのだから、走っている人と比べると遅くなる。
隠密と素早さ特化の人だろう。無音移動も持っているようだ。持ってきているマジックバッグからスナイパーライフルとゴーグル、ヘッドフォンを取り出し装着している。早いなー。そう思いながら数人分離れたところに俺も荷物を置いた。
入り口付近では、あの集まったグループがギャハハと下品な音を立てて笑っているのが聞こえてくる。ゴミが何かを叫んでいるようだ。音を遮断するために俺もヘッドフォンをつけ、スナイパーライフルを構える。的は数種類あり、遠くを狙うようの的や動く的など様々だ。目的に合わせて撃つ的を選べばいいだろう。
俺の目的は動く的を当てることだ。適当に動く的を撃って、最後に全員で片付けをするというのがこの授業でのルールなようだ。片付けと言っても弾頭の回収と的の交換ぐらいだろう特に変なことが起きなければ、問題はないな。
そして、授業が始まり、少しずつ集中力が切れてきた時だった。1人の銃が暴れ出し、四方八方に乱射を始めた。その引き金を手放せばいいが、慌てており思考はそこまで行っていないのだろう。壁でも立っていれば、俺の方に当たることはないだろう。
気配察知をフルで回していたため、慌てた気配を感じシールドを作り出す。それは俺の周りを囲い、跳弾を遮断するためのものだ。ヘッドフォンを落とした時にまだ、隣からは銃声が聞こえる。迷惑になるのかもしれないが、シールドで覆ってしまうか。
気がついてないお隣さんのためにシールドを大きくし、囲った。それに気がついたのか、文句を言うためか銃を置きヘッドフォンを首にかけ近づこうとしていた時だった。ガン、ガンと跳弾してきた弾がシールドで弾かれる音を出した。
ビクッと驚いていた姿は面白かった。少しお辞儀をしてから、元の場所に戻り跳弾が止むのを待つ。コミュ障のような気がする。跳弾が止んだ頃には、壁に穴がいくつか空いており先生が怒っている姿を見ることができた。
その後怪我がないかの確認をし、片付けをしすぐ解散となった。あの1年組は首根っこを掴まれ連れて行かれている。
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