第15話
やはり心臓に1突きで終わらすことはできなかった。心臓まで届かなかった。隠密ができることこれが1番の強みだ。だが、これを生かすには一発で倒すか、毎回隠れながら、一回ごとに逃げるか。
今回心臓を刺せなかったのは肋骨が硬かったことだ。縦ではなく寝かしてから刺さないと上手くさすことができない。なぜ心臓を狙ってしまったのだろうか?喉を掻っ切ることができれば倒すことができるというのに。
人がたということもあり、弱点は多く存在している。だが、やはり骨は硬かった。今の力では、骨まで折って刺しにいくことができない。いっそのこと足の腱があるのかわからないがそこを切ってから、ヒット&ウェイをくりかすか?
いっそのこと短剣ではなく弓を使えばよかったなと思ってしまうのも仕方がないと思う。弓と隠密の相性はとてもいい。だが、問題になってくるのはその出費と威力の低さだ。矢が折れてしまうと買い直しをしなければならない。さらに一撃が軽いので、倒しにくい。
中には魔法弓と呼ばれるものも存在しているが、魔法職と弓を極めてからつくことができるものだ。これになれば余分な出費は減ると言われている。だが、遠い、遠すぎる。
やっとのこと心臓が落ち着きを取り戻してきた。変に興奮をしていたが、それも治まり考えがまとまってきた。
これを活かして、早速立ち向かうとするか。レベルを上げて簡単に倒すことができるようになれば、余裕で次の階にいくことができる。そのためには・・・、ゴブリンが視界に入った。それを狩ることだけに集中する。
スキルの恩恵で余裕に背後を取ることができる。そのまま、短剣を寝かして1刺し、そのまま前屈みに倒れていった。
「嘘だろ?」
あんなに時間をかけて倒したはずなのに、今回はあっさりと一撃で倒すことができてしまった。これなら、簡単だ。だが、本当に倒れているのか確認しておかなければ、ツンツンと木の枝でそれをつつく。
子供の頃、犬のフンを突いている感覚に似ている。違いは生きているかがわからないという点だ。いくら突いてもピクリとも動かない。このことから完全に死んだということがわかる。ドロップはゴブリンの腰布だった。ゴミだ。
「一撃ボーナスがあったらいいのになー」
そんなことを口ばしってしまう。一撃で倒すことができればドロップが豪華になることだ。そんなスキルはない。中にはモンスターから、スキルブックが落ちることがあるようだ。だが、確率がとてつもなく低いようだ。
この階層から出たことはないらしい。出たとしてもゴミだろう。
次は魔法で試してみるか。
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