第66話

 なんか、換金しにきたのだが、俺が出てきた瞬間ざわざわし始めている。なんだか、珍獣としてでも見られているような気分だ。周りを見ていると、背の低い学生かなと思えるような人が何人か見ることができる。それでやっと夏休みに入ったのだなと実感が湧いてくる。ふと背後で




「勇者殺し」


「物量の悪魔」




 そんな痛々しく、物騒で厨二チックな二つ名が聞こえてくるが、どうせ俺のことではない。ふと後ろを振り返るが




「ひぃ」




 となんだか、怖気ずくような反応ばかりだ。さらに一歩後退りもされる。俺のことだったみたいだな・・・。現実逃避はこれまでにしておこう・・・。勇者を倒したのは、ここ最近では俺ぐらいだ。大体予想はついていたのだが、もっとかっこいいのあっただろう!!そう叫びたくなる。




 まあ、これで絡まれるのは減ることになると思いたい。本当に思いたい。今回は刀の試しということもあり、あまり儲けは出ず3万ほどだった。




 というか、武器が変わったことで、勇者君を倒すことで経験値を多くもらえると考えることになればめっちゃ笑えてくる。勇者と言っても魔王なんかも存在していないし、なんのための職業かもわかっていない。そのため、放置をされているのが正しい。




 だが、ステータスの上昇がおかしいことから、あまり戦いを挑むなとは言われている。報告されている勇者の職業についた人は、常識をしっかりと持っている人が多くいた。そのため、人との戦闘になることはなかった、あったとしても圧勝で終わることが大半だ。




 今回のことで勇者が負けてしまった。そのため勇者に勝利した俺に注目を浴びることになった。さらに問題があった。俺の職業を考察しようとしてくる奴らだ。最初に出てきたのは召喚師だ。と言われていた。もちろんその時は召喚師だった。




 だが、それは本当にそうだったのか?という疑問だ。普通に召喚していると魔力が足りないという有識者の意見のもとなんの職業になっているのかという考察がネット上で繰り広げられていた。




 絶対に当たることのない職業なので、問題はないのだが多くの人の戦法を見られてしまったのが非常にまずい。もうちょい後に不老にすべきだったのかもしれない。背が低すぎることが問題になってきている。そのため、コメントが流れる動画では、いじめじゃん笑というコメントを見てしまった。




 呪術師にでもなってそいつを呪ってやろうか?そんな怒りが混み上げてきた。今の身長は150ぐらいだ。目標は、180ぐらいだったのが、目の先の目標に囚われすぎて、不老をとるんじゃなかったと後悔だ・・。

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