第67話

 背が低い分得と思えることもいくつかある。それは、敵の攻撃が当たりにくくなるという点だ。そのため、回避に大きく行動する必要がない。ある意味よかったのかもしれないという考えもできるほどだ。




 だが、問題がある。それは俺が中学生だと思われてストップが入ってしまうことだ。俺がいうのはなんだが、童顔といえばもっと想像がつくだろう。このおかげでどれだけ苦労したことか、たまに女子と間違われる。その屈辱がわかるだろうか?




 次の日になりその怒りを刀で5階のオークにぶつけている。順番待ちはあるものの、刀で縛って戦っているので、順調に成長を感じることができる。




 戦い方としては、オークがまず殴ってくる。刀の腹を腕で抑えなが受け流す。さらに受け流しながら、腕に切り傷を負わせる。うまく行くとここで腕を切り落とすことができる。うまくいけばの話でうまくいかなかったら、そのまま腕がつかわれて戦いが続く。




 アドバンテージとして片腕にしたかっただけだ。それだけの理由で、腕に切り傷を負わせているだけだ。簡単に倒すことができるのであれば、カウンターで首を狙いにいく。だが、狙うことができても当たらなければ意味がない。そのため最初は腕を狙うことにした。




 ほとんど先制攻撃は利き腕で行う人の方が多い。それが魔物に適用されているのかはわからないが、もし適応するならば、とても優位な状況からの戦いに持ち越すことができる。その後戦い消耗の末勝つというのが今日の1戦目だ




 次の問題は、レアボスとの対決の方法だ。武器を持っているレアボスとの戦い方次第では普通に負けてしまう。だが、俺は勝てると思っている。確率も低いので、どうせ通常だろ。通常の方が練習になるのでそっちの方がありがたい。




 再び順番が回ってき、その扉を開けると案の定レアボスだった。しかも大剣持ち、本当にラックは上昇しているのだろうか?不安になってくる。




 ということで対面している。いざとなれば魔法を解禁するつもりだ。そのため勝ちは確信し安心して戦いに挑むことができる。




 落ち着いて刀に手を添えていつでも抜き出すことができるように構えておく。真正面から近づいてき、そのまま上段から叩き潰しにきた。急いで刀を抜き、横に向け受け止める。




 ガキッ




 火花が飛び散ったように見えたのだが気のせいかもしれない。そんなことを悠長に考えている場合ではない。力押しをされると負けるのは俺だとわかりきっている。少しずつではあるが押され始めている。そのため受け流すしか方法はない、右手に力を入れ上に上げ左手を下に下げた。体重が乗ったその一撃は、左へと受け流され地面へと深く刺さる。

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