第463話

 その新たに判明したのは、サーベルタイガーだ。サーベルということは剣だ。剣をどっかに取り入れた虎だ。咥えているのかもしれない、牙が刃になっているかもしれない。そんなの内のどれかだろうと思っていた。


 通常の虎のモンスターなら、引っ掻き肉球による押し潰し、そして噛みつきが基本で、ここに魔法が加わる。肉球は硬いようであまり好きではない。柔らかい肉球こそ至高なり。


 俺の予想通りの見た目だった。だが、その予想した種類すべてあったのだ。対応がめんどくさい感じだな・・・。まずは剣を咥えているものは、噛みつきが剣での切り裂きに変わる。その際に振り回すようで視界がぶれるのでそこが狙い目だ。


 だが、その攻撃を近づかなければ、滅多にしてこないので隙が少ないカウンター型の戦い方だ。次に牙が刃になっているやつだ。木の上からの奇襲を得意としており、腕に噛みつかれたら最後振り解こうとしても振り解けず、切り落とすしか方法はない。


 骨まで砕かれ噛みちぎられるか、振り払う時に刃にあたり切断されるかのどちらかだ。この階で一番避けなければならないモンスターだ。そして最後は、剣の模様が入った虎だ。このモンスターは剣を召喚して、それを飛ばしてくる。


 まるで昔の俺の戦い方を見てるみたいだ。飛ばしてくる剣は何かに当たると消えてしまう。だが、魔力が少なくなると、剣を加え、近接攻撃に切り替えるらしい。隠れられるよりはまだマシだな。


 魔力による斬撃があるのかは知らない。というかよくわからなかった。俺が行っているわけではなく、動画でしか見ていない。そのためどれくらいの大きさの剣が飛んでくるのかもわからない。何かにあたれば消えるのであれば、シールドを出してそれに当てて貰えばいい。


 時間が俺に味方してくれる。そして近づいてくる時に魔法で殺す。いい作戦だな。ドロップは虎のラグマットだ。頭がしっかりと浮いているものだ。手触りも虎そのものだ。だが、剣はついていないので危険性もない。


 動物愛護団体に知られたら最後、虎を殺したと思われても仕方がないぐらいそっくりだ。動物愛護団体様(笑)とヴィーガンって似てるよね?どちらも動物を殺してはならない、食してはならない理論の持ち主だ。


 肉を食っていないのだろう。これで肉を食っていれば、動物愛護団体を名乗る資格はない。ダンジョンの奥地から戻ってこれるのか気になるな。不殺のダンジョン攻略かー。


 人気出そうだな。1つラノベが書けそう。誰かやってくれないかな?動物愛護団体様は挑戦してもらいたいなー。そんな24階層に行こうとしていたのだが、イベントが始まった。今回の2月のイベントは節分だ。豆を撒いて厄を払おう。人間というなの厄にも払ったらどっか行ってくれるのかな?


 逆に近づいてきそうだな。やめとこ。

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