第208話

 賭け事で盛り上がっているらしい。学校で運営しているわけではないが、個人で賭け事をしている人がいるぐらいだ。1時間開けた理由は、魔力の回復ポーションの効きを考えてだ。そして1時間が経ち、試合を再開する。最初の試合は、あの2属性の魔法使いの登場だ。


 相手は、同じく魔法使い属性は水だ。魔力がまだそんなに差がないので質量で押し潰されるという心配はない。だが、いつも攻撃に使っていた火魔法が実質使うことができない状況だ。果たしてどんな試合になるのやら。


 最後の試合に触発されてか、最初にお辞儀をするようになっている。めんどくさいので別にしなくてもいいと思っているのは俺だけなのかな?まあ、いい。スタートの合図を出した。コマンダーとは交代して、俺が審判だ。流石にずっと立てっているのは疲れただろう。


 スタートの合図と言っても、旗を振り下ろすだけだ。振り下ろしてリングの端の方に移動するこれで終わりだ。移動をし終え、戦いの観察をする。水魔法の方は、ボールを作りながら他の魔法で攻撃をしている。そのため、火魔法を使ってもすぐに消されるため使うことができない。さらに、ウォーターボールで窒息を狙っているようだ。


 顔を全て覆うことができた場合、早ければ15秒以内で気絶することになる。そうなると、俺が止めに入る。戦うならば、火魔法の火力を上げて一瞬で蒸発させる。不純物が入っていれば水蒸気爆発になるが、そんなものを使うこと以前に持ち込むことが禁止されている。


 そのため、安心して火魔法を使うことができる。するならば地面の砂埃を空中に飛ばし、火魔法を使う方が粉塵爆発が起きる可能性がある。爆発に欠けるのであれば、水蒸気爆発よりかも粉塵爆発にかけた方が可能性が高い。果たしてどんな戦い方をするのか?


 というか、水魔法の方は魔力が持つのか?攻撃は避けられ地面に当たっている。さらに当たりそうな攻撃は全て風魔法により打ち消されている。同レベルで考えるなら、魔力消費の差がどんどん大きくなっている。窒息狙いはいいのだが、それまでの魔力消費が多い。


 少しずつではあるが、ウォータージャベリンの威力が減ってきているように思える。もうそろそろ決着の時が近いのだろう。


 バタン


 水魔法使いが倒れる。気絶をしているということは魔力切れだろう。狙い過ぎだな。当たらなくて躍起になり無駄な魔法を連発しすぎだ。もう少しレベルを上げましょう。それがこの人の課題だろう。あとは、自分の感情をコントロールしましょうということだ。


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