第891話
そして、片付けをしている時だった。いつもの王子が登場する。同じ手で逃げようと分身体を出し、荷物を取ってから外に行くように命令を出す。だが、あの王子は分身体を殴って破壊しようとしていた。防御力やHPは俺よりも低いことから、攻撃に耐えられるか?
あれがもし本体であればどうするのだろうか?入れ替わって攻撃を受ける?痛いことはしたくないからなー。なしだな。分身体が耐えることを願うばかりだ。そして殴りが腹に入り、吹き飛ばされていく。結局耐えなかったか。
顔面でない分まだマシか?おそらく殴られているところは鳩尾(みぞおち)だろうからそんなに変わらないはずだ。脳筋がここにいる。なんだ?この脳筋で溢れている世界は?周りにいるのは皆脳筋だ。誰か頭脳派の人を呼んでくれ。
俺も脳筋に染まってしまいそうだ。・・・問題はどうやって荷物を回収するかだな。荷物を回収せずに外に行くことはできない。そこで張られていれば、ずっと帰ることができない。それなら先に回収しないとな。攻撃してきたのだから、攻撃し返すか?ダメージの1部が帰ってくるとか嘘をつけば通りそうだ。
相手にするのがめんどくさいな・・・。アースボールを数十個飛ばす。もちろん殴られてもいいように、真っ直ぐ飛ばす。たまに足元の地面に当たるように撃つことで、魔法をコントロールできていないように見せかける。俺の目標は魔法で封じることではない。どこにも当たらずに通り過ぎていった土が、その王子の後ろで合体し、荷物を引っ掛け出口へと持っていく。そこに分身体を進ませることで、荷物を回収した。
荷物を奪い取ろうと、分身体に近づこうとしているその足を土操作で固め動きを封じる。魔法の無駄なんて1つもない。失敗なんて気にしなくていいから楽だなー。そのまま、足を固定化させ入口から出る時には全ての魔法を解除した。
これで証拠の隠滅も完了だ。固め終わってから分身体を移動させてもよかったな・・・。固める前に移動させたことで、それに反応し王子も移動を開始していた。危うく足を固めることができなかった。もし固めることができなければ、分身体は破壊されていただろう。
適当に作られた魔法だと思うだけだろう。魔法のスキルが進化したことで魔術師になるということは、もう大きく知られていることだ。おそらく賢者もだ。そのうちのどれかの効果だと考えているだろう。対策もそんな多くはできない。できるとしても、魔法を潰すぐらいしかないはずだ。圧勝だな。今日は気持ちよく帰ることができる。
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