第890話

 月曜日になった。ただの銃を撃つのは飽きてきた。ゴブリンの訓練をしてもいいでは?そう思ってしまった。初めて開講され、銃系の職業を持っていることや銃を持参することが条件として挙げられている。だがその条件が重すぎるのと、初めての開講ということでどんな授業かも想像できない。


 そのような理由から選択人数が少ない授業だ。周りに人がおらず、この演習場はスッカスカになっている。いるのは10人以下の生徒だけだ。こうなっても仕方がないだろう。そんな空いた空間を有効活用するために、銃ゴブリン2体の訓練をすればいいのでは?


 そう思い。先生に許可を取ってみた。上に聞いてみる。そう言いながらスマホで電話をかけながら外に出ていく。そして2分後に戻ってき、許可が出た。そう俺に伝える。迷惑をかけないこと、変に動かさないこと。が条件として挙げられた。


 反乱のようなことを起こすなよとのことだろう。その辺りの良識はある。ゴブリンにアサルトライフルとスナイパーライフルを持たせ、銃撃の訓練だ。アサルトライフルの方は、先にコントロール力を上げるために、止まっている的を狙わせる。


 スナイパーライフルの方は、弾の落ち方を学ばせるため遠くに置かれている的を狙うように命令を出す。そのまま放置というわけにもいかず、観察しながら休憩だ。時間いっぱい撃つことができないのだから、そこまでをこいつらの訓練にあて、俺はその後に撃っていればいいと判断した。


 理想は、銃で的を撃ち抜き遊ぶことができるようになることだ。そこまで行けば、思うがままに銃をコントロールできていることの証明になる。先にゴブリンをしているのは、過保護なやつがやってくるからだ。モンスターがいる。殺さなきゃという思考になってもおかしくない。


 おそらく、あの王子(仮)は近くで撃っているやつのパーティーメンバーとかだろう。それで過保護になっているのか?あの子の近くにいる男・・・。狙っている?といった感じだろう。相手にするのがめんどくさいな。


 周りにシールドを貼り、暴走した時の対処を完了した状態で銃を撃たせることおよそ15分が経過する。まずはアサルトライフルを使っていたゴブリンが魔力切れでダウンした。まだアサルトライフルを返す余裕があるようだ。


 よく頑張った方だろう。動けないようになるまで働かず、動けるうちにやめておく。いい判断だと思う。スナイパーの方は、1回撃つごとに合わせ直しがある。そのため撃つペースが遅い。


 1回の弾の魔力消費は、スナイパーの方が大きいがまだ撃つことができる理由だ。そして、10分後に魔力切れになった。俺の訓練を開始できる。銃ゴブリンが返しにきていたスナイパーの引き金の部分などを少し洗い、俺もそれを使うことにした。


 時間が長いから集中が切れるのであって、時間が短ければ授業が終わるまで集中し続けることができる。気がついた時には授業が終わっている。

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