第389話

 ヘラクレスには出会うことはなかった。それよりも色のついたカブトムシやクワガタにしか出会わない。蝉?あー、そんな奴もいたな。殺す価値もない。どうせ、スピーカーとかだ。いらない。


 色のついたカブトムシを蠱毒させて、虹色でも作ればよかったのか?虹色ならもうカメムシか。変な進化をしてヘラクレスになることに賭ければよかったのか?


 もう売ってしまったことだ。どうすることもできない。あんなジメジメしたところに行きたくないし、明日は新しいところに行くとするか。


 新しい階は22階だ。そこのモンスターはマザースパイダーだ。簡単に言うと母蜘蛛だ。卵を産み続け、それが孵化することで、その階層には子蜘蛛が多くいる。今回は数で攻めてくるモンスターだ。そんなモンスターはこぞってHPが少ない。


 範囲魔法で一網打尽だ。一回殺すことができれば、少ない状態で始まる。ただ、ここで厄介なのは洞窟型と言うことだ。


 分かれ道もあり、さらには蜘蛛の巣を張っている箇所しかない。天井に穴を開けて脱出をすると言うこともできない。殺すか逃げるかだ。


 もし、蜘蛛の巣に当たると一定の範囲にいる子蜘蛛がやってくる。肝心のマザースパイダーは、次の階層に上がる入り口にて鎮座して待っている。


 マザースパイダーの特徴は戦闘中でも容赦なく卵を産み落とすことだ。その卵を2つ生贄にして、召喚するのではなく。爆発物として利用してくる。


 その卵は粘着質を持った物質だ。投擲武器としては優れすぎている。一度引っ付くとマザーの命令により爆発される。避けても近くによると命令により爆発。なんとめんどくさい。


 魔法で撃ち抜くと爆発はしないが死んでいくのだ。爆破物なら投げる瞬間に狙って爆発させれば致命傷になるのではと考えた人が行い。失敗に終わっていた。そのため爆発しない可能性が非常に高い。


 それ以外は、糸を吐いてくる攻撃ぐらいだ。粘着性を持った糸でくるのか、それとも伸びるタイプの糸でくるのかはわからない。そこは運だな。どのみち避けなければいけないことには変わりはない。


 もし粘着糸に当たってしまうと地面や壁に固定され、そこからボムラッシュか、攻撃がくる。サンドバックだな。ハメ技とか卑怯だな・・・。ハメてからのラッシュか。脱出不可の即死コンボだな・・・。


 魔法が使えれば、自信が火傷を負うこと前提で火魔法を放てばすぐに解くことができる。これで弱点なしとかだったら地獄だったな。まだ弱点があるタイプでよかった。

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