第1008話

 30階層まで全ての魔物を殺し、すぐに移動できるようにしておく。パワーレベリングはあまり好きではないが、これくらいは許容範囲内だ。そして、29階層に戻って戦闘の確認をしておく。あの魔法鹿との相性が悪いのはわかった。だが、その他のステータスが尖っているものとの戦闘の確認をしていない。


 26階層の熊は物理攻撃、27階層の猪は魔法と物理攻撃が混合しているのと物理防御力だ。そして28階層の鹿は魔法、29階層のカンガルーは素早さといった感じなはずだ。中途半端に成長したものには勝つことができているが、魔法特化には弱いことが判明していた。


 そのため、29階層のカンガルーをどう対処するのかと言うのが実物だ。結果はフルボッコにあっていた。向こうからの攻撃から始まった。そのため、盾で受けることからのスタートだ。カウンターとして盾で受けてすぐに剣を振っていたが、バックステップで回避をしていた。


 魔法を使ってくる個体がいないことから、魔法は使えないはずだ。そのため、魔法を地面に設置をするか自分の後ろに置くかして察知されないようにすれば、魔法を当てることができるだろう。それに気がつくことはなく、剣を振って当てようとしている。次のオークナイトとの戦闘に備えているのだろう。


 勝つことができればオークナイトと戦ってから、どのステータスを上げるためのレベル上げをするのかを決めさせるつもりだった。うまくいけば勝つことができるかな?カンガルーの殴りを受け止め、剣を振るう。何回もしていることから、カンガルーもそれを読んでいたのだろう。


 殴ってすぐにバックステップで距離をとり、再び殴るために近寄ってくる。そこに飛んでいくのは光魔法だ。だが、反射神経が高くサイドステップで避けられてしまった。これで魔法が使うことができると言うのがバレてしまった。


 当てるならもっと引き付けておかないとな・・・。それでも変わらずにカンガルーは動く。殴ってからの行動が変化した。バックステップではなく、サイドステップに変わった。魔法の特性を理解しているようだ。スピードが早い魔法はコントロールが効きにくく、急カーブをするときに膨らんでしまう傾向にある。


 もちろん直角急カーブもできるが、その時に減速してから即加速をするため魔力消費が大きい。あとそこまで考えるくらいなら、別の魔法で狙った方が効率がいい。しかも盾で受け止めることに必死で、カンガルーの姿を確認していない。その結果魔法が空振りで終わり、横から殴られ吹き飛ばされる。


 そして足元にあったライトボールが上に上がり、カンガルーを貫く。置き玉をしていたようだ。殴られてもいいように保険をかけていたようだ。即死とまではいかないが、スピードを殺すことができたようだ。そこから魔法の集中砲火で殺していた。これなら特に言うことはないだろう。回復魔法をかけて、最後の課題の30階層に行こうか。

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