第121話

 そして勢いよくリーダー個体に近づき、抜刀のため刀に置いていた手を離し発勁をするつもりだ。そいつは、抜刀をすでに見ている。そのため警戒すると思っていたのだが、ドンピシャだ。剣を持っていた右手にあてることで、爆散させる。いつもより念入りに破壊するために気力を多めに流した。


 その結果、爆散だ、いつもなら破壊程度で済むのだが、爆散したことにより、少し返り血がつく。カランと地面に持っていた剣が落ちるまで静寂が続いている。


 どちらも脳の処理がいまだに追いついていない。距離をあけるべく、下がろうとしているオークの足踏みぬく。そこは青くなっており、骨が折れ膨らんでいる。俺は一旦距離をあけ、魔法を放つ。狙いは、リーダーの後ろにいる通常の方だ。


 リーダーに標準を狙い放つ。それに気づいたリーダーは、頭と心臓を守るためにガードをしており、後ろの仲間には狙われていないと判断している。急に方向転換をする。だが、目元を隠しているためその軌道を見ることができていない。そして、守ってくれると確信していたオークは体を貫通させられ、息だえている。


 それを見たオークリーダーは血走った目でこちらを睨み、左手で攻撃をしようとしている。だが、慣れていない手なので、しょぼい攻撃だ。半身でよけ右腕で攻撃の向きを逸らす。そして胴体に向かって殴る。それがあたり、血を口から噴き出しているが慈悲は与えない。


 そのまま、壁まで蹴り飛ばす。この戦闘でストレスが溜まっていたのだが、結構スッキリした。壁に亀裂まで作り、突っ込んだのに、まだ息があるようだ。土煙が上がると地面に手を付き起きあがろうとしている。そこにファイヤーランスを放つ。火が全身に行き渡っている中苦しみで悶えている。


 そのまま、火が全身に広まるまで生き絶えることなく悶えている。時間が経ち火が消え、真っ黒焦げになったことを確認する。そして、後ろを振り返る頃には戦闘が終わっており、オークの死体の上で、騎士が吠えていた。お前は獣か?と思ったが口には出さない。


 無傷なのは騎士ぐらいだろう。獣のようなセンスを持っていると考えればいいのか、それとも才能だと考えればいいのかわからないが、勝ちは勝ちだ。そして中央に宝箱が落ちる。


 大抵のイレギュラーボスの場合、協力して倒すことになるので、報酬は売却になるか欲しいものの買い取りになる。その際に発生した金によって報酬が出るといった感じだ。もちろん最低保証はある。それに加算されるだけだ。もちろんイレギュラーボスに当たった階層次第でその金額は大きく跳ね上がることになるそうだ。

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