第465話

 その出刃包丁を鉈のように振り回しながら攻撃をしてくる。刺身包丁ではない分だけましか・・・。ナマハゲが生まれたのが海あたりだったらその持っている包丁は刺身包丁だったのかもしれないな。


 その3体の連携もバッチリだ。1体が目の前に立ち、その背後を取るようにもう1体が動く。残りの1体はいつでも交代したり奇襲をかけたりしてくる。前後からの攻撃を横に動いて避けた時に、そいつだけが俺が動いたのに気がつき、攻撃を仕掛けてくる。


 俺のターンは永遠に来ないみたいな感じだ。猛スピードで動いている時に、横移動をするには減速がいる。だが、それをなくすにはそいつは攻撃をせずに他のやつが攻撃するのが一番早い。考え方を変えただけだ。


 横移動の相手を攻撃するということを目的に自分が攻撃を当てるのではなく、誰かが攻撃を当てる。そんな考え方に変えた結果がこの戦い方になったのだろう。といっても俺はノーダメージだ。攻撃に出ることができない理由は、1対3と人数不利な状況だからだ。


 人数が多ければあの挟み撃ちをすることもできないので簡単に倒すことができていただろう。攻撃を喰らってもダメージも少ないことがわかった。動きもわかったことだし、反撃と行くか。包丁も投げてこず、大切に使っていることがわかる。


 魔法も、その愛刀(包丁)によって切られてしまう。刀ぐらいの距離なら問題ないが、拳を武器とする場合は近寄ってはいけない存在だな・・・。短刀を相手に戦っているような感じかな?


 考えるのもめんどくさいので騎士を召喚し、殲滅を開始しようとした。騎士を召喚した時顔の形が変わった。顎の部分が下に落ちた。顎が外れたような感じだ。その奥から眩い光がどんどん大きくなる。


 口からビームだ。・・・目からにして欲しかった。そのビームは地面を凍らせながら俺たちに近づく。動きはゆっくりだが3体から一斉に放たれたことが厄介だ。ゆっくり観察している場合ではないか。


 魔法も解禁だ。ファイヤーランスで足を貫く。藁の服は上半身しか隠せておらず。下半身は中を除くことはできない。なんというか、コートで全身を隠した露出狂(変質者)の下半身バージョンに思えてしまう。


 ジャンプし、回避しようとしているが燃えているのは確かだ。その藁を伝い全身を燃やす。そして出て来たのは、赤い皮膚だった。それが人間と違いコンプレックスになっていたのかもしれない。


 人間の部分である足を出すことによって全てが人間であるかのように錯覚させるための罠であればすごい考えられているなーと感じる。日本人のような黄色人の肌だった。少し黄色がかった肌といえばわかるか?異種族とわかっていれば、躊躇いなく殺すことができるだろう。


 だが、人間とわかっていれば、話が通じるのかもという理由から攻撃をするのを躊躇ってしまうだろう。そんな騙すことに特化したモンスターだったのかもしれないな・・・。そして、狙い通り出刃包丁がドロップした。


 食べ物限定で切れ味が上がる仕様だ。カボチャもすんなり切ることができればいいな・・・。

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