第1194話
さてこんな感じでいいだろう。目標の20階層まで進むことができた。どうするのが正解だろうか?
「残り時間あとどれくらい?」
「30分です」
30分で何かできること・・・なさそうだな。もう雑談に切り替えてもいいだろう。
「ばーちゃんは何かしたいことある?」
「そいつと戦いたい」
そう言いながらスケ3を指差す。
「今度別の企画の時に戦ってもらうから、その時でもいい?」
「絶対にその企画用意しておけよ!」
「最悪周りを巻き込まなくても企画はできるから大丈夫、大丈夫」
おそらく俺がメインだ立てた企画を向こうは拒否してくるはずだ。参加はしたくないとかそんな感じだろう。なら、参加をしないのは自由にして、参加したい奴だけが参加する企画にすればいいだけだ。2ヶ月後あたりで十分だろう。
「残り時間どうする?雑談?それとも他の階層に行く?」
「残り30分だろ?時間も中途半端になるし、5分前までは雑談で終わらせるか」
「了解!ということで質問募集中、って言いたいところだけど、正直、ダンジョン配信って何を求めてるの?戦闘?それともお宝ハンターのようなワクワク感?連携?無双?色々あるけど、何を期待してるの?それを教えてほしいなーって思ったんだよね」
カメラマンがすぐにコメントを見ることができるモードに切り替える。と言ってもこちらからは見ることができない。ただ、眼球の反射からコメントが爆発的な速度で動いているのはわかる。
「大体でいいから文字読めた?」
「目が追いつきません」
「配信終わってからコメントとして読んでおくよ。聞きたいことは聞けたし、ばーちゃん何かコメントで聞いておきたいことある?」
「カップリングに需要があるのか?ってところだけだな」
カップリングに需要がないと判断すれば個人で動きやすくなる。そのため知っておいて損はないだろう。需要があろうがなかろうが、組む気がないのは分かりきっていることだ。
「で?判断は?」
カメラマンにそう問いかける。客観的に見ると圧をかけているようにしか見えないな・・・。
「ないみたいですね」
そうなるよねー。ダンジョンでカップルを作るのなら、ダンジョン外で動くカップルの動画を見ていればいいだろう。わざわざ殺伐としたものを見る必要はない。
「じゃあ、質問タイムに入ろうかな?適当な質問の取り上げよろしくー」
「まずは1つ目です。最近見ている配信者はいますか?」
「見てるのは基本的にゲームかな・・・。する機会がなくなったからね」
「うちは料理かな?」
「へーばーちゃん料理するんだ」
「意外か?」
「うん意外、今度何か作って」
「気が向いたらな」
「得意料理とかあるの?」
「ハンバーグとか?」
「ハンバーグかー、チーズを入れるのがめんどくさかったり、肉汁が出なかったりして諦めたんだよねー」
あるあるの失敗例だ。視線で次の質問に行けと合図を送る。
「2つ目の質問、ダンジョン以外にしてみたい配信は何かありますか?」
「恋愛相談とか?コメントとかから相談事をもらって、そこから回答していくって感じのやつ。あれ面白そう。周りの恋愛事情も知れるし、それを肴にして酒を飲みたい」
「最後だけが本当の目的だろ・・・。うちは晩酌配信だな。こいつの潰れている姿を見たい」
「私怨の塊め。けど、どっちにしても酒絡みか・・・。おすすめの飲みやすい酒を募集中」
ダンジョンとは無関係の質問が続く。これが、あのカメラマンの選んだ質問になるだろう。ダンジョン外のプライベートのことを知りたくなるのは当然のことだろう。知ってもらうことによって共感してもらうために必要なことだ。そんなことをしていると25分のセットしておいたタイマーがなる。
企画としておいておけばいいだろう。怪我や体を壊した時にこの企画を行えばちょうどいい感じになるはずだ。それまでは封印だな。そんなこんなで配信を切る。そして、ダンジョンの外に出た。
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