第596話

 まだ回復に時間がかかっており、復活はまだしていないようだ。ここでリーダー個体が乱入してくる。持っている武器は大剣と斧だ。それと同時に盾役も上がってきた。盾は大楯と丸型の小さめの盾だ。


 遠距離部隊への守りは無くしたようだ。矢が降ってくる。上にチラッと視界を上げてしまった。シールドバッシュだ。勢いよく大楯が走ってくる。足元にシールドを出すことで、それに躓きこける。大楯の弊害だ。


 足元が見えないので、段差で転けてしまう。そこに魔法を放った。オークが妨害をするにしても曲射で当てる必要があり、真っ直ぐ撃つとリーダー個体に当たる。撃つために移動をし射線を作ってくるとこの作戦はうまくいかなかったが、動かず固定砲台になってくれていたので楽だな。


 ファイヤーランスを真っ直ぐ放ちその後曲射で4本放った。真っ直ぐ飛ばしたものは、間に入った丸盾により弾かれ壁に当たる。そのための曲射だ。丸盾の横を過ぎ去り、後ろの大楯を狙う。背中に当たり爆散した。残り8体だ。


 後ろにシールドを出し、斧の振り下ろしを防ぐ。足元に予備として3つアースランスをセットした。横に回りシールドを解除する。支えられていたものが急に重力の影響で重く感じるだろう。そのできた隙に刀で腕を傷つける。


 斧を横に振り回すのでそれをバックステップで回避した。腕を傷つけたことにより支えることができにくく。武器に振り回され、体勢が崩れる。その背後に設置したアースランスが1本貫通し、その先端を俺に見せてくる。


 振り回されることは頭に入れていたが、振り回された後の動きをあまり想定していなかった。急所を外してしまいまだ生きている状態だ。確実に殺す前に、急いで離れないといけない。背後に立っている大剣がその武器を振り上げた。少し遅いな。もう振り上げており、振り下ろすだけだと思っていたが俺の考えすぎだったようだ。


 予想よりも近くにいるせいだろう。ぎりぎり当たるか当たらないかの距離であれば、もう振り上げることができていただろう。アースピアーを手から発動させ、壁まで押しつぶす。振り上げようとしていたのをやめ、面を俺の方に向けることで攻撃を耐えたようだ。


 生きているのかな?その前に飛んでくる矢を刀で落とす。近くに仲間がいなくなったことで射線もでき、フレンドリーファイヤーの心配もなくなった。そうなれば放ってくるよね。


 後ろでは、必死にアースランスを壊そうとしているオークが一体いる。そのオークに先ほど設置したアースランスを発動し、足元から飛び出してきたアースランスが口から飛び出す。出血で死ぬのも時間の問題だな。


 攻撃のためとして手に持っている槍が地面に落ちる。矢を装填する時間を稼ぐためにファイヤーランスが飛ばされてくる。魔力がしっかりと込められているやつだ。当たれば爆発かな?もう、あのオークたちは死んだものと考えられているようだ。


 最後の近接武器を持っている剣士が復活したようだ。回復をするまで時間がかかっていたのは魔力の節約のためだろう。だが、使う相手は皆死んでしまった。回復役自ら近づかなければいけない。そうなれば、時間稼ぎ兼最後の近接武器ということですぐに回復させたのだろう。


 アースピアーによって飛ばされたものはわからないが、あと動くことができるのは6体だな。飛んでくるファイヤーランスを切り落とし、後衛部隊に走り寄る。

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