第861話

 元からあった問題が大きく解決したことで、次の問題に取り掛かろうと思う。それは、銃ゴブリンの強化だ。今はリボルバーを使わすことで、その命中率を上げる訓練をさせている。それももう充分だろう。次のレベルに行くとするか。


 サブマシンガンか・・・。今のところ魔力と器用さに全振りしているため、力が足りず暴れるとかあり得るな・・・。とりあえず銃を渡し、試しに撃たした。失敗すると思もっていたのだが、普通に成功していた。止まっている的を狙うよりも少し下の方を狙い。そこから少しずつ上に上げることでコントロールを維持していたのだった。


 そういえば、魔法使い系の職業を取らせていたからその分知能が上がっていたことを忘れていた。だが、弓を使っていた方のゴブリンは反動の確認もせずに直接狙ったことで、暴走してた。銃を扱うセンスがあるのは元魔法使いの方だったようだ。


 両方混ぜれば、ちょうどいい感じのゴブリンができそうな気がする。チーフを召喚し、その2体を守ることを命令する。いけるとは思うが前衛も必要だからな。チーフの職業を騎手に変更してもらい、いざ出陣だ。コボルト相手の殲滅は容易に行われているようだ。


 だが、マシンガンを使って気持ち良くなっているのは元魔法使いの方のゴブリンだけだ。元弓の方は、ほとんど撃っていない。最終的に諦めてリボルバーを使っていた。やはりここで差が出てきたか。バースト武器と連射式のアサルトを渡すときの判断に使えそうだな。今はモンスターを殺すことができているから、特に問題はない。


 実験も兼ねてやっていたのだが、予想は外れることになる。5階層以下の召喚獣を入れているとドロップは経験値が美味しくなるのでは?そう予想を立てていたが、ダメだったようだ。裏技のようなルールの隙間を狙った方法だ。流石に対策されていたようだ。


 ____


 その訓練にしばらく付き合い時間がすぎていく。そして、チーフの騎手がレベル20になった時には9月になっていた。あと2週間ぐらいで大学が再開することになる。特にやりたいこともないので適当に過ごせばいいだろう。


 連日ダンジョンに行っていたので、休日にしていた時だった。ピンポンパンポンといつもの音が脳内に響き渡る。音量は抑えられており、耳がキーンとすることはなかった。


「テストテスト」


「イベントお疲れ様〜。明日から通常のダンジョンに戻ることのお知らせだよ。それだけ〜」


 なんとも端的だが、違和感を感じる。いつもの神(仮)であればもっと話していたはずだ。どんな感じだった?とか、金儲けできた?とかの疑問文を投げかけたりするはずだ。話す人が変わったのか?


 減給とかされてそうだしな・・・。減給をされたとしてもそのことについて話すはずだ。そのことを考えると、宣言する人が変わったようだ。おそらく一瞬の間だけだろう。


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