第718話
6週目の授業が始まる。あと2週間で5月が終わり6月がやってくる。錬金術の提出するものを作ると同時に、あの魔力のこもった水を使った実験を開始するか・・・。先週作った魔力の籠った水を使い。どんな効果が出るのかの検証だ。
それで完成したものを提出すればいいだろう。もし、他の素材と混ぜることができれば、魔力が籠った素材ができる可能性がある。絶対こっちの方を使って、作る方が効果が高いのは明白だろう。
使う前に鑑定をしたが、効果が落ちているということはなかった。減っているのは確実だろうが、劣化とは書かれていなかったのでまだ使うことができる範囲だろう。水魔法と沸騰させた水で作ったものを合わせた魔力水を使ってみる。
錬金術で作るための素材を放り込み、完成した。その回復薬はいつも作っているものと見た目はほとんど変わらない。色が薄くなっているかな?程度の違いしかない。その効果は、HPの1%を回復するというものだった。
革命的だ。固定値よりもパーセントで回復する方がレベルが上がっている人にとってありがたい。回復する量には限度があった。薬草の質やレベルが上がっていくと、その限度も上がっていくのだろう。ちなみに今の限度は7だった。ほとんど変わっていないが、こっちの方が効果が高いな・・・。
次は、過剰な魔力水を使ってみる。水魔法から作り出したそれで回復薬を作ってみた。その効果は、1%回復と変わりはなかった。1つ違うところがあった。それは限度が10まで上がっており、効果としてはこっちの方が高いことだ。
だが、注意書きとして依存性が高く、魔力過多による魔力酔いになるそうだ。魔力酔いとは魔力の取りすぎで酔っ払いになることだ。気分は悪く、千鳥足になり動くことすらままならない。解決方法として魔法を多く使うことだけだ。魔力を発散させる特徴をもった素材で薬を作れば、魔力酔いを止める薬ができるだろう。
魔力の回復効果はないにもかかわらず、魔力酔いになるのか・・・。魔力回復の効果がついていれば、納得することができた。戦士系の人がこの回復薬を飲むのは危険だな。魔法使い専用の回復ポーションの完成だ。
使い道が少なすぎる。前線に出ない魔法使いの専用ポーションとか需要はないだろ。HPではなく魔力回復であれば、役に立っていたのに。だが、魔力過多になるということは、魔力が含まれている薬ということだ。魔力回復のポーションへの道に一歩近づいたと言っていいだろう。
魔力の籠った水と、粉末にした素材を混ぜると、わずかながら魔力が籠った素材が完成した。水の方はただの水になっており、魔力が移ったことがわかった。これを複数回繰り返していくと、少しずつではあるが魔力が蓄積されていく。
そして使い物にならなくなった。元の粉ではなく、形を保っているものに魔力を込めさせればよかったのか・・・。そう思ったのだが、魔力を込めているとヒビがはいる。それが完成の合図だと思い、素材にするとさっきと同様のゴミが完成した。
同じ魔力の量を同じ種類の素材を使って試したのだが、割れるまでに差があることがわかった。素材にも個体差がある。・・・ここは慣れと感覚を鍛えないといけないところだな。
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