第967話
一番最初にわかるのは襲いかかってくる狼からだ。4速歩行でデフォルメされていたものから、はっきりと毛が立っていたり、牙が生えていたりする狼の姿に変化している。さらに、グルルルと威嚇をする声がついている。
どうやら、最後のウェーブは全部が進化状態になるものだ。ところどころ、ボロボロになり崩れ始めている。馴染ませずにすぐに進化をさせた弊害だろう。力の暴走だな。もしかすると、これを利用して最終段階にすることで自滅するとかそんなギミックだったのかもしれない。
まあ、追々確認すればいいか・・・。矢と魔法が飛んでくる。それをシールドで受け止め、地面スレスレにウィンドランスを放つ。魔法で防ごうとするのなら、前にいる仲間ごと魔法を撃たなければならない。何体か死ぬだろう。その間に雑音を殺さないとな・・・。
人形と判断できなくなってしまったのか、カースウエポンの動きが止まっている。その命令を演奏者を殺すように命令を書き換える。楽器がより本物に近づいた影響だろう。そのついでに楽器の効果もわかる。楽器の効果は演奏の効率化や速度が倍になる効果だ。
演奏速度が上がった分不協和音が広がる。砂時計が半分になった時に演奏が完了していたのが、もう終盤まで進んでいる。今から俺も殺すために動いても、バフはかかってしまうだろう。とりあえず1回目は仕方ないとして、2回目は阻止してもらうか・・・。
濃縮された音バフが、元人形たちにかけられる。演奏の密度が上がった分、効果時間は演奏した時間と同じだったはずだ。ならぎゅっと縮められると、ステータスの上昇率が伸びる。シールドを足場に空中に逃げる。狼が俺の足元を噛みついていた。
判断が遅ければ、攻撃をされていただろう。そこに矢が数本飛んでくる。シールドを4枚出して防ぐ。そのうち2枚が割れたのだから、バフの量が上がっていることで間違いない。カースウエポンが演奏の人形を殺すことができたかどうかの判断ができていないようだ。
めんどくさいなー!!カースウエポンの命令をまた書き換える。楽器を破壊することだ。ドロップをする可能性がほんとど0に近い数字になるだろう。あのバフが待たされるよりかはましだ。攻撃を受ける手段を変えないとな・・・。
矢は基本シールド3枚で受けるとして、魔法は打ち消し合うくらいしか対処法がないな。毒薬はあるが、人形には絶対に効かない。それよりも火魔法を封じられたのが痛すぎる。魔法を封じることでしか使い用がない。
1回で放たれる矢の数が減った。その方向を見て、魔力で視力を高める。そこにいるのは指のかけた人形だ。1体だけということはおそらく最初に強化されなかった人形だろう。強化されている人形はまだ矢を放ち続けているため、ここで差が出た。
右手で矢を放っていたのを左手に持ち変える。行動不能にするにはこの2段階が必要な感じだ。最後だと思って分身体を使い切ったのが痛かったな・・・。バフの前にあのデカブツ4体のうち数体を殺すことができたはずだ。
全部殺すまで時間は絶対にかかる。それよりも数が多いため、距離を空けたい。魔術師に合図を出し、水魔法で波を作らせる。これが最後の魔法になるようだ。高さは鎧兵の太ももあたりだ。狼は完全に埋まっている。これで押し流すことができればな・・・。他に何か攻撃手段があれば、水とシナジーがあるのは氷か雷だな。
考える前にシールドを出し白狼と魔術師を上にあげる。エンチャントか!エンチャントを確認するとレベル3に上がっている。あのオークキングと戦った時にずっと使っていたのが原因だろう。マジックカースウエポンを3体召喚する。それにサンダーエンチャントを付与し、張られている水面に落とす。
感電をし、死んだ人形が泥に変わっていく。張られていた水は薄汚い色に変色した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます