第83話
「それは?」
疑問に思っても仕方がないだろう。綺麗に包装されているそれを抱えていればそう不思議に思っても仕方がない。
「あーこれねー。くじ引きで当たったよー。」
ふーんと思い。温めたうどんを啜る。味が染み込んでいて、出汁の香りが鼻腔をくすぐる。味変をしネギをトッピングしさらに啜る。流石に病み上がりということもあり、あまり多くは食べることができなかったが、十分満腹になることができた。
「晩御飯何がいいー?」
「肉!!」
入るかどうかはわからないが肉を食べたいという気分だったので肉と答えた。どちらかといえば唐揚げやハンバーグを食べたいところだ。子供っぽいと感じたやつは潰す。
「開けていい?」
そう聞くがすぐにオッケーという返事がくれた。ハサミを持ってき、綺麗に包装を開ける。一回持ってみたのだ。重たさ的に機械だと思った。そのため、丁寧に開けようと思うに至った。
と父も帰ってきたのだが、似たようなものを持っている。
「これも開けといてー。会社のビンゴ大会で当たったからー。」
と俺の近くに置いてきた。もう同じものと分かりきっている。大きさが本当に同じだ。包装をのけるとそこにはダンジョンの動画配信のためと最近発売されていたカメラだった。
「何これ?」
と両親が覗き込んでいた。そしてこれについて説明した途端。
「これあげるから、配信頑張って」
「ダンジョン内の動画よろしく」
と言いながら、これを渡してきた。もちろん受け取った。もう片方は予備として渡された。こんなに高ければ、早々に壊れないとは思う。だがデカすぎるので倉庫にしまっておくことにした。
風呂に入りベットに転がって調べていると、その機器を使い動画を投稿している人が何人かいるみたいだ。
というか、これをビンゴやくじ引きの景品にして大丈夫か?と心配になるばかりだ。父の方は理解はまだできる。ダンジョン関係の仕事をしているという理由からそれが流れてきても不思議ではない。
一番の不思議はくじ引きだ。あれが出てくると知っていたら、絶対もっと人集まってきただろうに・・・。
「よく取れたなー。」
約束も約束だ。そのため配信用のアカウントだけ作っておいた。もちろん投稿をするだけで、他の配信をするつもりはない。これ以上に新しい機器は出ないだろうと思っている。今はリアルタイム配信ではなく、とっている動画の投稿になる。これがリアルタイムの配信になることは不可能だと考えている。
夕飯だと呼ばれ、そのままステーキを食べ、翌朝には元気になった。
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